パワハラ体質な人の特徴と防止策|パワハラ体質の人からよくコレを質問されます
2020年11月09日 2024年08月26日 新人育成担当者向け
大企業では2020年6月から「パワハラ防止法」が施行されて、中小企業でも2022年4月から義務化されます。社会的にもハラスメントは関心が高くなっていますが、まだ職場ではパワハラ事例がたくさん出てきます。
そこで今回は、研修時に会ったパワハラ体質の人の事例と、パワハラ対策について具体例をご紹介します。
YouTube版も公開しています
パワハラ体質な人の特徴
私が研修でお会いしたパワハラ体質な人には、特徴があります。それは、「自己中心的」「人の言うことを聞かない」という特徴です。
例えば「自分は厳しく育てられて今があるが、なぜ厳しくしてはいけないのですか」と質問されることがあります。
自分が受けた教育を、巡り巡って部下に同じことをしてしまうのは分かります。しかし「今は時代が違います。社会的にも、人の気質的にも、昔の指導方法は現代に合っていません」等、詳しくお話しても「でも・・・」と反論してきます。
同僚にも厳しい指導を指摘されても、人の言うことを受け止めようとしないため、職場では孤立しているようでした。
研修の時に「パワハラ体質」の人から質問されたこと
事例1「シンクロの井村コーチは厳しい指導でオリンピック金メダルを獲得した」
とご質問をいただきました。確かに井村コーチは厳しい指導で有名で、選手たちは金メダルを獲得した時に「つらいことばかりだったけれど、井村先生についてきて良かった」と感謝の言葉を送っています。厳しくても感謝されるのは、下記の点で該当していることが前提です。
・あなたの部下はオリンピックを目指すくらい仕事にモチベーションが高い部下ですか ・同じ目標を共有しており、結果を出すために本質的な指導はしていますか ・部下から信頼され、厳しい指導にも信じてついてきてくれる関係性はありますか
厳しく指導することが全て悪いとは思いません。時には厳しさもないと結果が出ないと思っています。しかし、その厳しさが相手にどう伝わるかということです。この男性は、仕事へのモチベーションも高く、厳しい指導にも耐えられる精神力もあったのでしょう。自分は厳しくても良かったかもしれませんが、部下が同じという事はありません。パワハラ対策は自分と他者の違いを認めることから始まりますね。
事例2「仕事をミスしたら厳しく指導しないと直りませんよね」
と、ご質問をいただきました。上記にも書きましたが、時には厳しく指導することは悪いと思いません。しかし、以下のことが該当することが前提です。
・指導の目的が、後輩の成長のためになっていますか ・指導の結果、後輩が成長していますか ・怒鳴ったり、感情的にならずに冷静に指導できていますか
この女性の場合は、怒鳴ったりして厳しく指導する(怒鳴るのは指導ではありませんが)ので、後輩が次々と辞めてしまい社長が困っていました。技術的には優れているので、自分と人を比べて「何でできないの」と怒ってしまうのです。仕事ができる人なので、できない人にイライラしてしまうかもしれませんが、すべて自分が正しいと思い込んでしまうとパワハラになりやすくなります。『自分が正義』ではないと心得ることです。
パワハラ体質から、適切な指導者になるための心構え
・自分と他者の違いを認める ・自分が正義ではないと心得る ・指導するときは冷静に指導する 私の感覚では、パワハラ体質の人は頑固な人が多いので、研修をしても受け入れてくれない人もいます。周りが注意しても、研修に出て気づいても直らない場合は、部下と合わないだけの場合もあるので部署異動や、部下や後輩をつけずに指導という立場を与えないという方法もあります。 パワハラをなくして、安全で安心な職場づくりをしたいものです。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
新着記事
カテゴリー