セクハラ相談を受けたときに『絶対言ってはいけないワード』

2020年09月29日 2023年12月23日 その他

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。

社会的にもハラスメントは関心が高くなっています。今まで職場で相談を受けたことがない人も、今後受ける可能性があります。

ハラスメントの中でもセクシャル・ハラスメント(セクハラ)は通常の仕事の相談に比べて、デリケートな部分があります。軽く返答すると、知らないうちに相談者から信頼をなくしたり、この会社は誰も助けてくれないと感じ仕事を辞めるところまで発展してしまうケースもあります。

これよりは、セクハラの相談を受けた際の対応法についてご紹介します。

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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!

パワハラ防止法が施行されたけれど・・・

大企業では2020年6月から「パワハラ防止法」が施行されて、企業には従業員からの「ハラスメント相談」に対応するための窓口を設けることが義務付けられました。中小企業でも2022年4月に施行される予定です。日本の企業の割合でいうと大企業が3%、中小企業が99.7%で従業員が5名以下の小規模企業は日本全体の9割弱を占めていますので、まだハラスメントと言っても知識がない方が多いのではないでしょうか。

企業研修に入ると、ハラスメント窓口がある会社でも上手く機能していなかったり、私の知っている限りですがハラスメントに関する教育を受けている会社も少ないと感じます。女性社員に対して、普通に「結婚しないの?」「彼氏はいるの?」と雑談が繰り広げられています。

例えば、5名の会社でハラスメント窓口を設けるのは難しいですね。そうなると、ハラスメントの相談を受けるのは経営者や管理職になります。経営者や管理職は男性が大多数です。研修を受けるまでもないかもしれませんが、企業人として従業員のために最低限のハラスメント知識は身につけておきたいものです。

セクハラをしている人は気づいていない

セクハラを確信犯でしている人は少ないでしょう。ほとんどの人が悪気がなく言った言葉や行動がセクハラになっていることがあります。

研修受講者の新人女性のAさんは、直属の上司の男性主任の行動に悩まされていました。男性主任はAさんを褒めるつもりで「今日はよく頑張ったね」と頭をポンポンと触るのです。Aさんは、その行動に『気持ちが悪い』と思っていますが、立場上「やめてください」と笑って言うのが精一杯でした。男性主任はAさんが笑って冗談ぽく拒否するので、本当に嫌がっているのを気づいておらず、繰り返し何度もしてくるので悩んでいました。

特に部下や後輩がいる方は、何をするとアウトなのか、セクハラの定義をしっかりと理解することが必要ではないでしょうか。

NGな言葉①「気にしなくていいよ」「それは考えすぎだよ」

旅行会社の女性社員Bさんが、男性上司にセクハラの相談をしたときのことです。 ある既婚者の男性社員から「今度デートに行こうよ」と誘われ、断っても何度も誘われるので辛いというお悩みでした。相談を受けた男性上司は開口一番「あ~。あの人はみんなに言っているから気にしなくていいよ」と軽く言ったそうです。Bさんにとっては出社するのが嫌になるくらいの出来事でした。辛いので勇気を振り絞って上司に相談したのに、上司が真剣に考えてくれないことに大きな絶望を感じます。

上司の先入観、主観のみで判断して決めつけるのはNGです。また相談者の気持ちを理解しようとしないと、『この人に言っても無駄だ』と思われて信頼をなくします。自分の判断で「たいしたことではないと」決めつけてはいけません。

NGな言葉②「なぜ拒否をしなかったの」「あなたに落ち度があるのではないか」

相手を疑ってかかる言葉はNGです。自分に嫌なことを言ってくる人に対して、はっきり断れる人からすると「何で言わないの?」「どうして断らないの?」と思うかもしれません。しかし、嫌で嫌で仕方なくても自分の気持ちを上手く表現できない人もいます。

職場では、立場が上の人からセクハラをされた場合でも、今後の仕事や人間関係にも関わってくるため、我慢してしまう人もいます。相談者は勇気を持って相談したのに「拒否できたのではないか?」「なぜ、拒否しなかったのか?」という言葉で責められているように感じ、一気に心を閉ざします。

セクハラを相談されたら

まずは、相談者の言う事に予測や判断を入れずに、話を最後までしっかり聴きます。相手の話に共感を示しつつ、事実関係を聞きとりましょう。そして、問題を解決しようと具体的な行動を起こす前に、最も大事なことは相談者がどうして欲しいかを、しっかり確認することです。

実は、相談者としては・・・ ・聞いて欲しかっただけ ・相手との間に入って解決してほしい ・外部の専門家に相談したいので一緒についてきて欲しい

など、相談者が求めていることは様々です。

例えば、相談者は話を聞いて欲しいだけなのに、上司が勝手に解決に乗り出して加害者側と話し合いをしたらどうでしょうか。相談者は「何でそんな余計なことを言ってしまうんだ」と反感を覚え、場合によっては相談者が会社に居づらくなります。相談された人が親切心で行動していたとしても、余計なお世話になってしまうのです。

相談者が求めていることをしっかり理解して、何らかの解決策を講じる場合には、時間を空けずに問題解決するように実行しましょう。

最後に

就業意欲の低下や精神的な苦痛、離職率の上昇などを引き起こす行為をなくすためにも、各個人がハラスメントへの理解を深めていくことが大切です。ハラスメントのない働きやすい職場を作るために、組織内の土壌づくりをしていきましょう。

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執筆者プロフィール

新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社
太田 章代
企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細

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