1on1ミーティングの目的と進め方

2022年12月23日 2023年10月27日 新人育成担当者向け

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。

あなたの会社では『1on1ミーティング』を行っていますか。最近よく耳にする言葉ですが、1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で面談をすることです。

1対1で面談をしたことがある方も多いと思いますが、部下が問題を抱えている等ネガティブな内容のときだけではなく、部下が成長するための面談を行えていますか。

ここでは、1on1ミーティングの目的から進め方について詳しくご紹介します。

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1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で定期的に面談をすることを指します。アメリカのシリコンバレーでは、日常的に行われているコミュニケーション手法で、日本の企業でもYahoo!をはじめ1on1を導入する企業が増えてきています。1on1ミーティングの特徴としては以下のようなことがあげられます。

・週1回、月1回など短いスパンで定期的に行う ・1回のミーティング時間は30分程度 ・話す内容は自由 ・上司は話を聞く側になり、部下を中心としたミーティング

1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングは、「部下の成長促進」が目的です。評価面談と違い、リラックスした雰囲気の中で、部下を主体とした会話をします。日ごろ話ができていない仕事で「成功したこと」「失敗したこと」を振返り、そこから何を学んだのか、今後どのような活動をしていくのかを共有します。また基本的に話題は自由ですので、上司と部下がコミュニケーションを取り相互理解を深めるために、1on1ミーティングは有効です。

1on1ミーティングのメリット

1on1ミーティングを実施する3つのメリットをみていきましょう。

1. 部下の成長スピードが早くなる

1on1ミーティングでは、部下の抱えている悩みを早期解決できたり、部下の強みや得意分野に気づき、能力開発につながります。業務効率を上げるなど成果が出てくると、部下のモチベーション向上も期待できます。

2. 社内のコミュニケーション改善

上司、部下ともに仕事が忙しくコミュニケーションが不足していると思っている人も多いでしょう。1on1ミーティングを仕事の一環として組み込むことにより、コミュニケーションを取る時間をつくり、日頃言えない悩みやチャレンジしたいことなど、部下の本音を引き出します。上司と部下の距離が縮まることにより、信頼関係を築いていきます。

3. 定着率の向上

上司が「自分に関心を持ってくれない」「意見を尊重してくれない」といった上司に対する不満が原因で会社を去る人が、離職者の75%を占めるという調査結果もあります。1on1ミーティングで上司と部下のコミュニケーションが活性化することにより、会社や上司へのエンゲージメント(愛着心)が高まり定着率が向上します。従業員のエンゲージメント向上は、企業の業績向上にもプラスの影響をもたらします。

1on1ミーティングのテーマ

1on1ミーティングで話すテーマは自由とはいえ、「何を話したらいいのか分からない」と困っている人も多いのではないでしょうか。そこで、テーマの例をあげていきます。

・仕事での成功体験、失敗体験 ・仕事で抱えている悩み ・健康状態について ・プライベートの話 ・職場での人間関係 ・キャリアに関しての相談 ・目標に対しての進捗状況 ・組織に対する疑問や改善点 ・今後チャレンジしてみたいこと         など

1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングを有効な時間にするためには、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

1. 日時・場所の確定

1on1ミーティングは部下が話しやすいように会議室などの個室で行います。勤務時間を使って面談をするため、上司・部下ともに忙しい時期を避け、早期に日時を決めるようにします。年間スケジュールを決めてと予定が立てやすいでしょう。また、面談の所要時間も予め伝えておきましょう。

2. 事前準備

1on1ミーティングを行う前に、上司・部下ともに準備をしましょう。1on1ミーティングを有効な時間にするためには準備8割です。部下から話したいテーマを聞き、部下が主体的に話せるようにします。上司も部下も伝えたいこと、聞きたい事を準備しておくことが大切です。

3. アイスブレイク

部下は上司と1対1で面談をすることに緊張しています。席に着いたらいきなり本題に入るのではなく、「新しい仕事は慣れましたか?」「朝と夜の寒暖差が激しいですが、体調は問題ないですか?」など、カジュアルな話題から入りお互いに心をほぐしてから本題に入るようにしましょう。緊張がほぐれると会話もスムーズにいき、本音も言いやすくなります。

4. 目的を伝える

アイスブレイクで緊張がほぐれたら、面談の目的を伝えます。例えば「この面談の目的は〇〇さんの成長をサポートするために行っています」といったように、何のための時間なのか目的を毎回伝えます。また「本日のテーマ△△ですね。その他、仕事での問題や聞きたいことなど何を話しても構いません。よろしくお願いします」など、話やすい雰囲気をつくるようにします。

5. 部下の話を聞く

評価面談は上司から伝えることが多いですが、1on1ミーティングは部下の話をしっかり聞くことが重要です。部下の話を最後まで聞き、受け止めるようにします。話しを途中で遮ったり、否定や評価をしてしまうと部下は話づらくなってしまいます。部下の話に対してフィードバックをする場合も、「部下の成長のサポート」を念頭に置き、前向きなフィードバックをするようにします。

6. ミーティングのまとめ

ミーティングの最後は、話した内容をまとめることで頭の中が整理できます。問題の解決策、今後の取り組みなどまとめて伝えるようにします。また次回ミーティングの日時も確認しておきましょう。

7. 記録に残す

ミーティングが終わったら話した内容を記録に残すようにします。決まったことを部下が実践できているかチェックをしたり、次回の1on1ミーティングでの確認事項として情報をメモしておきます。たま、ミーティング内容の振返りをして、ミーティングの質を上げてくようにしましょう。

まとめ

1on1ミーティングは上手に運用することにより、部下の成長に効果があるため、実施することをお勧めします。ミーティングをするということは、部下も上司も時間がかかる事ですので、業務との兼ね合いも考えて継続できるように仕組化したいものです。


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執筆者プロフィール

新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社
太田 章代
企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細

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