これで完璧!クレーム対応の基本4つの手順
2023年11月01日 2023年11月10日 ビジネスマナー、ビジネスコミュニケーション
あなたはクレーム対応が好きですか。たぶん好きではないですよね。できたらしたくない仕事ですが、クレームはどんな職種でも発生してしまうため、避けて通れない仕事の一つです。
いつ起きるかわからないクレームですが、発生してしまったときには適切に対応できるようにしておきたいものです。
ここでは、クレームの基本4つの手順をあげていきます。
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クレーム対応は「迅速」に
クレーム対応は1分1秒早く対応する「迅速さ」が大切です。対応が遅くなればなるほど、お客様の不満が大きくなります。仕事の優先順位1位と捉えて、早急に対応するようにしましょう。クレーム対応が上手くいかないと、クレーム対応に関しての不満が大きくなり「二次クレーム」へと発展する場合もあります。
また、どんな小さなクレームでも早急に上司に報告をするようにします。報告がなかったことが後でわかったときには、隠していたとみなされて信頼を失くしてしまうこともあります。
クレーム対応4つの手順
まずは、クレームの基本的な4つの手順をご説明します。基本手順でクレーム対応をしていきましょう。
1.お詫び&心情理解
まずは誠意をもってお詫びをします。事実確認をしていない段階でも、相手を不快にさせてしまったことに対してお詫びをしましょう。また、相手の話しをよく聞き、クレームを入れるに至った心情を理解して相手に寄り添う姿勢を示します。
■お詫び言葉
「ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございません」
「ご不便をおかけしまして、申し訳ございません」
「不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」
■話の聞き方
こちらの言い分があっても、まずは最後までしっかり話を聞きます。また、「おっしゃる通りでございます」「ごもっともでございます」など、相手に寄り添った言葉で心情理解を示します。相手を否定したり、話を遮ってしまうと二次クレームに発展する可能性があります。
■メモをする
お客様が話した内容を、忘れないようにメモに取ります。このメモは、その後の対応や、他の人にクレーム対応を引き継ぐときにも役に立ちます。電話で受けたクレームについては、メモを取ることは難しくありません。しかし、直接クレームを受けたときは、相手がクレームを言っている目の前でメモを取ることはできないという人もいるでしょう。直接対応している場合は、「大変恐縮ですが、間違いのないように、メモを取らせていただけますでしょうか」と、相手に許可を取ってからメモをするようにします。
2.問題は何か事実確認をする
相手の話をしっかり聞いたら、足りない情報は質問をして正確な情報を得るようにします。また、自分が聞いた内容を正しく理解できているか確認が必要です。聞いた内容を要約して、問題となっている事を明確にしましょう。
■質問の仕方
クッション言葉をつけて、相手に配慮しながら質問をします。
例/
「差し支えなければ、その時の詳しい状況を教えていただけますでしょうか」
「よろしければ、ご購入いただいた商品名を教えていただけますでしょうか」
■要約の仕方
突然「要するに〇〇ですね」とまとめるのではなく、相手の許可を取ってから要約をします。
例/
「恐れ入りますが、内容の確認をしてもよろしいでしょうか」
「恐縮ですが、聞き間違いがあるといけないため、内容の確認をしてもよろしいでしょうか」
3.相手の要求を確認して、解決策を提示
問題は何か事実確認ができたら、相手が何を求めているか確認し、クレームに対してどのように対応するか「解決策」を提示します。相手の要望も聞かずに、勝手に解決策を提示すると、相手を不快にさせてしまう事がありますので気をつけましょう。
私が体験した例をあげると、クレームを言った後、こちらが求めていないのに「今回は無料にします」と言われ、『無料にして欲しくてクレームを言ったのではないのに、早く終わらせたいと思っているのかな』と嫌な気持ちになりました。
また、自分で解決策を提示できるときはいいのですが、上司に確認しないと提示できない場合は、その旨を伝えて早急に返事するようにします。
■自分では解決策を提示できないとき
上司に確認する場合でも、返事は早急にするようにします。返事が遅くなりそうなときは、何時になりそうかを伝えておきましょう。
例/
「恐縮ですが私では判断しかねるため、早急に確認いたします。〇時までにお返事をいたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
「恐縮ですが、本社に確認が必要なため、お返事に少しお時間がかかりそうです。明日の〇時までにはお返事をしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
■解決策を提示するとき
「これでお願いします」と解決策を押しつけずに、疑問形で相手に尋ねるように提示をします。また、解決策に対してNGが出る場合も考えて、他にも解決策を用意しておくことをお勧めします。
例/
「新しい商品と交換するという事でいかがでしょうか。」
「新しい商品と交換または返金をする、どちらかお客様のご都合の良い方をお選びいただけばと思いますが、いかがでしょうか」
4.再度お詫びをして、感謝を述べる
解決策を提示し納得していただけたら、再度丁寧にお詫びをします。クレームを言う方も労力がかかります。お客様からのクレームをヒントに、今後の業務改善につながることもあるため、指摘してくれた事に対して感謝を伝えます。
■お詫びと感謝の言葉
クレーム対応の最後は印象に残りやすいものです。最後まで気を抜かずに丁寧な対応を心がけましょう。
例/
「この度は誠に申し訳ございませんでした。今後、このような事がないように改善いたします。貴重なご意見をいただき、ありがとうございました」
クレーム対応は解決した後が重要
「クレームが解決して良かった」と安心して終わっていませんか。クレームが解決した後は、今後同じミスを起こさないようにするために、組織での情報共有が必要です。
クレームが起きる原因を個人の能力のせいにしてしまうと、クレームは減少していきません。クレームは組織での対策と業務改善策が必要です。人を責めるのではなく、ミスが起きている原因を追究して、ミスの起きない体制を整えるようにします。
またクレームが一件落着しても、その後顧客が継続して取引をしてくれるとは限りません。クレームが入った顧客には足が遠のきがちです。クレームが解決した後は、取引が継続していくようにアフターフォローをしっかりしていきましょう。
まとめ
クレーム対応4つの手順をおさらいしていきましょう。
1.お詫び&心情理解
2.問題は何か事実確認をする
3.相手の要求を確認して、解決策を提示
4.再度お詫びをして、感謝を述べる
クレーム対応はこのようなスキルも大切ですが、一番大切なのは誠心誠意対応しようとする姿勢です。心の部分が声のトーンや態度に出ることにより、相手は徐々に許してくださることでしょう。小さなクレームが対応を間違えて大きなクレームに発展しないように、真摯に対応をしていきましょう。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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