営業で本音を引き出す質問話法|一歩突っ込んだ会話で売上をあげる【コミュニケーション】

2020年12月23日 2023年10月27日 ビジネスコミュニケーション

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。

人は「本音」と「建前」があります。仕事ではお客様も上司も部下も「本音」で話してくれることは少ないのではないでしょうか。反対に全部本音で話されても人間関係が上手くいきません。よって建前は悪いことではないのです。

しかし営業する場合は、お客様の本音を引き出し、ニーズを捉えた提案をしたいものです。

これよりは、「拡大質問」と「限定質問」の2種類を使い分けてお客様の本音を引き出す方法についてご紹介します。

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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!

「質問」が「尋問」にならないように注意

まずは質問をする時の注意点をお伝えします。個人的な考えをお伝えすると、営業の場面で『質問スキルを使って売ってやろう』というのは、良くないと思っています。売上を上げるだけの目的で、意図的に使われているのが分かると、お客様側は尋問を受けているように感じてしまいます。

営業の基本マインドは、『お客様に良い提案ができるよう、ニーズを知るための質問』という所を忘れないでおきましょう。

太田章代
売りたい気持ちが先走った質問は、お客様にバレて警戒されてしまうこともあります。

「拡大質問」と「限定質問」とは

優秀な営業ほど、お客様に質問をして相手を深く知ろうとしています。相手のニーズを知らずして、提案をしても売上には繋がりません。

私達は知らないうちに普段の生活の中で、2種類の質問話法を使い分けていますが、知って使った方がより色々な場面で使えますのでご紹介します。

拡大質問

【具体的な答えを考える質問】

例えば、「何をお探しですか」「これどう思いますか」といったお客様が考えて答えを出す質問です。いつ?どこで?誰が?何を?なぜ?どのように?を質問して、お客様に自由に答えてもらいます。

限定質問

【「はい」「いいえ」やAかBなどの2択で答えることができる質問】

例えば、「平日と土日はどちらがご希望ですか」「シャツをお探しですか」「今日は会社にいらっしゃいますか」といった即答できる質問です。

「拡大質問」と「限定質問」の使い方

会話の最初に「限定質問」がきてしまうと、会話の自由度がなくなります。お客様のニーズを知りたいときには、まずは「拡大質問」で話しを広げて信頼関係を築いていきます。

ただ、あまりに広い「拡大質問」は、範囲が広すぎてお客様が答えられないことがあります。そんな時は「限定質問」を使って返答をしやすくします。良くある失敗として、一歩突っ込んだ会話が苦手な営業はお客様が答えづらいと察すると、踏み込むべきところで、サッと引いてしまい本当のニーズを引き出すことができません。

タレントの明石家さんまさんが、女性アナウンサーに「今まで何人くらいプロポーズされたの?」とストレートに拡大質問で聞いていました。女性アナウンサーは本音が言いづらかったらしく「う~ん。何人かな~~」と考えていたら、間髪入れずに「3人くらい?」と限定質問。女性アナウンサーは思わず「もう少し多いです~」と訂正を入れていました。実際は、何人からプロポーズされたかのか確定はしていませんが、3人よりは多いという情報は引き出せたのです。

本音を引き出すにはやはり「質問」です。

例えば「予算はいくらですか?」と聞くと「決まっていなくて・・・」とごまかされたりして、お客様が自己防衛する場面があります。

こんな時に一歩踏み込めない営業は「そうですか・・・」と引き下がってしまいがちです。しかし、本音を引き出そうとする営業は「15万円くらいですか?」とおよその金額を限定質問します。そしてお客様の「いやいやそんな予算は出せないよ」や、「そうだね、それくらいかな~」という反応を見て、およその予算を把握し会話を進めていきます。

この時には言語以外の、目や表情にも本音が出るので注目をしましょう。

太田章代
お客様の本音は言葉よりも「目」や「表情」などに出たりします

まとめ

「車の買い替え予定はいつですか?」 「シャツをお探しなんですね。これなんかどうでしょうか」 「今の保険に満足していますか?この保険に切り替えませんか?」

など商品を売りたいがために、はじめから結論を迫るような限定質問をすると、お客様は「売り込まれている!」と警戒して、心を閉ざしてしまうかもしれません。私だったら、速足でその場を去ります(笑)

最初は拡大質問で浅い話しからはじめて、プレッシャーをかけずに和やかに会話をして、お客様の心が開けたら本音を引き出せるようにしてくださいね。

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