結論は『後』に伝える|反論が起きそうなときの伝え方

人材育成トレーナー太田章代です。
ビジネスでは聞き手が理解しやすいように「結論を先に伝える」というパターンが身についているかもしれません。しかし、時と場合によっては「結論を後」に伝える方が適していることもあります。

ここでは、ビジネスにおいて結論を後に伝える方が効果的なシーンと、具体例をご紹介します。

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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!

※『結論から話すトレーニング』についてこちらの記事でも詳しくお話しています。

反論を回避したい場合『結論は後』

上司への報連相や、お客様からの問い合わせに対し「結論から伝えるように」と言われたことはありませんか。確かに結論を先に伝えることで、聞き手に伝わりやすいというメリットがあります。

しかし、いきなり結論を述べると聞き手から反論されそうな場合は、結論を後に伝えた方が得策です。先に理由や詳細を丁寧に説明することで、聞き手に同意を得やすくなります。


■結論が先

【結論】ランチを値上げします。

【理由】材料費が高騰しているからです。

【詳細】野菜は1.5倍に、お肉は1.2倍に値上がりしています。


■結論が後

【理由】材料費が高騰しています。

【詳細】野菜は1.5倍、お肉は1.2倍に値上がりしています。

【結論】よってランチを値上げします。

結論の順番を変えるだけで受け取り方が変わりませんか。反論が予測されるときに結論を先に伝えると、理由や詳細をしっかり聞いてくれなくなります。結論を後に伝えた方が「仕方がないですね」と同意を得やすくなります。



では、結論を先に述べると反論されそうなシーンを具体的にみていきましょう。


新しいことをはじめるとき

仕事のやり方やルールは常に変化していくものです。しかし、変化を嫌がり新しいことを拒絶する人もいます。反論が起きると予測されるときは、結論を後に伝えるようにしましょう。


【シチュエーション】

新しいツールの導入をチームメンバーに受け入れてほしいとき

【理由】今の業務フローでは、手作業の入力が多く確認作業に時間がかかっています。

【詳細】調査した結果、新しいツールを導入することで、データ入力を自動化でき、作業時間を30%短縮できることが分かりました。

【結論】よって新しいツールを試験的に3ヵ月導入し、効果を測定したいと考えていますがいかがでしょうか。

無理難題を言うとき

反論されそうなお客様や上司への提案は、結論を後に伝えると背景を十分に説明することができます。


【シチュエーション】

上司にプロジェクトの追加予算を承認してもらいたいとき

【理由】現在進行中のプロジェクトでは、想定外の課題が発生しシステムの開発に時間と人材が必要です。

【詳細】企業の差別化を図るために、品質をさらに向上させることが求められています。そのため、外部の専門家にシステムの開発をお願いする費用が必要不可欠です。

【結論】プロジェクトを成功させるためにも、追加で50万円の予算を承認していただけませんか。ご検討をお願いします。

まとめ

結論を伝える順番を変えるだけで、聞き手の受け取り方が変わります。聞き手に求めることで、結論が先か後のどちらが適しているか判断できます。

  • 聞き手に理解してもらいたいとき → 結論が先
  • 聞き手に受け入れてもらいたいとき → 結論が後

シチュエーションに合わせて使い分けしたいですね。

            

            

            

            

            

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