あなたは洋服を買いに行ったときに、店員さんが買った商品を持って出口まで見送りをされるのは嬉しいですか?それとも苦手ですか?

私は出口までお見送りするサービスは無意味だと感じています。
以前は帰り間際に好印象を残すため、出口まで見送る行為は効果的だったかもしれません。しかし、現在はそのサービスでリピーターにつながるのでしょうか。

近年はどこのお店も接客レベルが上がり、出口まで見送ることは珍しいことではなくなっています。よって出口まで見送りしても印象にも残らず、それだけでお客様がリピーターになるとは考えづらいのです。
また統計をとったわけではないので確実なことは言えませんが、出口までのお見送りが苦手な人は多いのではないでしょうか。お店側のサービスの提供と、お客様のニーズがマッチしていないように感じます。

先日研修をした際に、東京の40代の男性から「昨日洋服を買ったら、買った洋服を出口までお持ちしますと言われたけど、そういうのは面倒くさくて断ったんですよ~」と教えてくださいました。
接客が過剰でも、不十分でもお客様の不満になります。また高級店とプチプライスなお店では、お客様から求められる事も違います。ではどこまでしっかり接客すべきかと接客レベルの判断は難しいものです。

今回一番お伝えしたいのは、顧客満足度アップのために今している『サービスを止める』ということも検討が必要ということです。接客研修をしていて感じるのは、良かれと思いサービスを考え、追加することはやっていても、止めることは案外頭にないことです。サービスは時代に合わせて変化していくことを念頭に置いて、サービスの押しつけにならないように気を付ける必要があります。

お見送りに関する取り組みとして、

①高級店以外は出口までのお見送りを止める
②出口までのお見送りを止めたくても「お店の方針だから」勝手に自分だけ止められない

①を是非していただきたいのですが、ほとんどの方は②ではないでしょうか。
そこで今回の記事では、②の方向けにお客様に嫌な思いをさせない出口までのお見送り接客法をお伝えします。

お見送りの際、お客様に「ここでいいです」と断られたら

買った洋服を「出口までお持ちします」と言ったら、お客様に「ここでいいです」と断られたのに、「いやいや、出口までは」と言って出口まで強制的に行く店員さんがいます。これはNGです。確かに日本人は一度断るみたいなマナーがあるので、そう捉えられてしまうかもしれません。しかし、お客様「いや、ここでいいです」は謙遜ではありません。過剰な接客を嫌い、見送りを本当に遠慮したいと思っています。

ですから、見送りを断られたら「かしこまりました。それではここで失礼いたします。ありがとうございました」と笑顔で感謝を伝えた方が好印象です。出口までのお見送りするのが、お店の方針だったとしてもマニュアル通りに動くのは本当の意味で接客ではありません。お客様の心を最優先にして動きましょう。

できる店員がしている出口までのお見送り方法

できる店員さんは、お見送りも自然です。自然なお見送りをするには、言葉で伝えず行動で出口まで誘導します。購入していただいた洋服を持って、「お待たせしました」と言いながら、手で『どうぞこちらへ』と出口を差し示します。

その後、店内の短い時間ですが雑談でつないで出口までいきます。例えば、購入した洋服を旅行に着ていきたいと聞いていたら「旅行楽しんできてくださいね」など、その人にあった雑談ができたらベストです。もし、お客様の情報を聞いていない場合は「外は暑いみたいですので、お気をつけてお帰りくださいね」と誰にでもあてはまる話題でも構いません。無言で出口まで歩くよりはお客様の緊張をほぐすことができます。

お客様は、出口まで歩くあの数秒の間のぎこちなさが苦手だと感じています。見送り下手はかえってお客様に気をつかわせています。ロープレをするなら、お見送りの部分だけ何度も練習して見送り上手になりましょう。

【まとめ】過剰なサービスを止められない方は自然な接客を心がける

はじめにお伝えしたように、お客様に喜んでいいただくために「今しているサービスを止める」ことも検討してみてください。接客が過剰でも、不十分でもお客様の不満につながります。100人お客様がいて、100人が満足する接客をするのは難しいことです。お客様の考えが多様化している現代では、”自分たちのお客様に最も適したサービスは何か?”を考えて自然な形で提供することが求められていると感じます。形式的なものではなく、心が伴うサービスになるといいですね。

アイキャリア太田章代アイキャリア株式会社 代表取締役 太田章代
ビジネスコミュニケーション専門家、講演家

企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、1,700回以上登壇。ビジネスコミュニケーションを研究し、職場の上司と部下の人間関係を改善するなど評価を得ている。
著書:引寄せ営業の法則、気がつけば誰からも好かれる人になっている3の法則
YouTubeチャンネル:研修トレーナーAKIYO先生【太田章代のビジネスコミュニケーション術】

(2020年現在)