クレームが1件もない企業はありません。クレーム対応は決して楽しいものではなく、お客様に叱られたり、時には怒鳴られたりして辛い思いをした事がある方も多いのではないでしょうか。「クレームを減らすことができないかな」「できるかぎりクレーム対応はしたくないな」と思いませんか。

私は前職、広告代理店で統括本部長をしていた時にクレーム対応の担当しており、電話や直接お伺いしての謝罪を毎日のようにしていました。謝罪にお伺いした居酒屋の扉を開けた瞬間、店主に「入ってくるな!帰れ!」と怒鳴られたのを今でも鮮明に覚えています。現在は研修講師としてクレーム対応研修も行っていますので、クレームの対応ひとつで、ピンチをチャンスに変える事ができるという事はよく理解しています。

あなたは、商品やサービスに不満を持ってクレームを言う人が100人中何人いると思いますか?・・・

答えは100人中4人と言われています。クレームが表面化するのは氷山の一角という事です。他の96人はクレームは言ってきませんが、もう2度と購入しない、サービスを利用しないサイレントクレーマーなのです。

これよりは、クレームの基礎知識として、業界関係なくクレームに対して見直しができる内容をお伝えします。クレームに対して正しい知識を学び、クレームの本質を知って業務に活かしませんか。今回ご説明するグッドマンの法則を理解して顧客満足度向上に活用してください。

顧客満足度を上げる『グッドマンの法則』とは

グッドマンの法則とは、クレーム対応と再購入決定率の間に相関関係があることを示した法則のことをいいます。グッドマンという名前は、マーケティング調査・コンサルティング会社TRAP社の創業者であり経営コンサルタントでもあるJohn A・Goodmanの名前からつけられました。グッドマン氏が全米の大企業でアメリカにおける消費者苦情処理調査を行い、そのデータの中からアナウンサーであり晩年は白鴎大学経営学部の教授も務めた佐藤知恭氏が法則を発見してひとつにまとめたものです。この法則を活かすことで、クレーム対応で顧客満足度を向上させることができるというもので、「苦情は宝物」という言葉が生み出されました。

グッドマンの第一法則

「不満を企業に伝えてくる顧客のうち、対応に満足した顧客の再購入決定率は不満を申し立てなかった顧客に比べると高くなる」というものです。

商品やサービスを購入したお客様が不満を感じクレームを伝えた場合、その解決が迅速でお客様の満足につながった場合は82%のお客様が再購入をしています。

それに対し、不満は感じたがクレームを伝えなかったお客様の再購入率は9%です。残りの91%のお客様は、次回から別のお店や企業で購入をするということです。クレームの数ではなく、組織としてしっかりとしたクレーム対応ができことが大切です。

グッドマンの第二法則

「不満を感じた顧客の非好意的な口コミの影響は、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、2倍も強く影響を与える」というものです。

実際の調査によれば、好意的な口コミは5人に、非好意的な口コミは10人に伝えるそうです。20人以上に伝える人も12%もいます。現在ではSNSの口コミや評判が、商品やサービスの購入に強い影響を与えられていますので、2倍どころでは済まないかもしれません。悪い口コミは一気に広まるので、より慎重にならなければなりません。

クレームを伝えてくる人は、不満を持った人の4%と言われています。クレームを伝えてこないサイレントクレーマーの96%を放置してしまうと、悪い口コミが一気に拡散してしまう可能性があるということです。

グッドマンの第三法則

「企業が顧客に適切な情報提供をすることで、顧客との信頼関係が構築されポジティブな口コミが広がり、購買そして市場の拡大に貢献する」というものです。

消費者が企業と信頼関係を築くためには、顧客が求めている情報を的確に提供することが必要です。企業には真摯な情報提供を定期的におこない、消費者を自社のファンにして波及効果も狙いましょう。

サイレントクレーマーを察知するには

クレームは耳が痛い話ですが、怖がっていては何も解決しません。顧客がクレームを言える場所を用意して、不満を吐き出してもらえるようにしましょう。HPなどに苦情問い合わせ、苦情に関するご相談窓口などを示しておくなどあります。また、店頭や郵送でのアンケートを実施して苦情調査をする方法もあります。

ユニクロでは、以前、全国紙の一面に「ユニクロの悪口を言って100万円」という広告を掲載し、約1万通の応募があったそうです。このアンケートの結果、ユニクロは大幅な顧客サービスの改善に成功しました。エアリズムのベージュ色ができてヒット商品になったのも、「白の肌着は透けて見えるので何とかして欲しい」というお客様の声が元だったそうです。顧客の不満を徹底的に知ることは企業成長へとつながります。

アイキャリア太田章代アイキャリア株式会社 代表取締役 太田章代
ビジネスコミュニケーション専門家、講演家

企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、1,600回以上登壇。個人の自立を目的として『コミュラボ』を立ち上げビジネスコミュニケーションを研究。コミュニケーション能力が最速で身につくように開発されたオリジナルメソッドで、職場の人間関係を改善するなど、好評を得ている。