「申し訳ございません」は間違い?|敬語のビジネスマナー

2021年05月13日 2023年10月27日 ビジネスマナー

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師、太田章代です。 仕事でクレームやミスを起こしたときなど、相手に対して謝罪の意を表す基本用語が「申し訳ございません」です。

何げなく言っている謝罪の言葉ですので、意味や使い方を意識したことは少ないのではないでしょうか。これよりは、仕事に役立つ「申し訳ございません」の正しい使い方についてご紹介します。

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「申し訳ございません」は間違っているの?

「申し訳ございません」が間違っているという説と、間違っていない説があります。それぞれのご説明をします。

間違っている説について

「申し訳ない」を一つの形容詞と捉えたときに、「ない」の部分が「ございません」に変化するのはおかしいので、間違っているという事です。

正しい言葉⇒「申し訳ないことでございます」「申し訳なく存じます」

間違っていない説について

「申し訳」を名詞として捉えたときに、「申し訳」は『言い訳』や『弁解』という意味があるため「申し訳+ございません」は間違っていないという事です。

結論

捉え方の違いですね。ただ仕事では一般的に「申し訳ございません」が使われており、使っても相手から違和感を持たれないため、敬語として使用しても問題ありません。

仕事で「すみません」「ごめんなさい」は使わない方がいい?

「すみません」は『済まない』を丁寧にした言葉、「ごめんなさい」は『御免』(許して)を丁寧にした言葉です。いずれも謝罪の意を表す言葉ですが、仕事では軽い謝罪と捉えられてしまうため、使用しない方がよいでしょう。口頭だけでなく、メールや社外文書など文字にするときも「申し訳ございません」を使うようにします。

「申し訳ございません」と「申し訳ありません」の違い

仕事ではどちらを使っても問題はありません。ただ「申し訳ありません」を丁寧な表現にしたのが「申し訳ございません」です。仕事でより丁寧に謝罪の気持ちを伝えたいときは「申し訳ございません」を使うことを、おすすめします。

「申し訳ございません」の前につけると丁寧になる言葉

「申し訳ございません」という言葉の前に、その時々に合わせた言葉をつけるとより丁寧な印象を持たれます。
・至らぬ点が多く、申し訳ございません ・ご不便をおかけし、申し訳ございません ・何かと不行き届きで、申し訳ございません ・そこまで考えが及ばず、申し訳ございません ・多大なご迷惑をおかけし、申し訳ございません

「申し訳ございません」の類語は?

謝罪のときに「申し訳ございません」と同じ言葉ばかり繰り返すよりも、状況に応じて適切な言葉を選択できるようにしましょう。

類語1.失礼いたしました

「失礼いたしました」は『失礼なことをしてしまいました』という意味です。「申し訳ございません」より軽い謝罪の表現ですので、取引先にミスを謝罪するときには適していません。
「失礼いたしました」の例文/

「説明不足で、失礼いたしました」 「先日はしっかりご挨拶もできずに、失礼いたしました」 「先ほどは途中で席を外してしまい、失礼いたしました」

類語2.お詫び申し上げます

謝罪時に使えるへりくだった敬語表現です。この言葉は話す時にも使われますが、メールやお詫び文など文章でもよく使用されます。
「お詫び申し上げます」の例文/

「この度は大変ご迷惑をおかけしたことを、謹んでお詫び申し上げます」 「当社の不手際でご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます」

謝罪以外で使う場合

「申し訳ないですが、明日お越しください」

人にお願いをするときに、丁寧な印象を与えるためにクッション言葉として使用します。

「お気遣いいただき、申し訳ないです」

相手の気遣いに対して恐縮しながらも感謝を述べている言葉です。

「申し訳程度のお品」

自分からの贈り物をへりくだっている言葉です。

まとめ

仕事で謝罪をする時は「申し訳ございません」を使用して問題ありません。言葉も大事ですが、謝罪は心ありきです。「申し訳ございません」が表面的にならないように、態度や表情で気持ちを表して伝えるようにしましょう。

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