名刺を切らしたら?同じ人に2回名刺を渡してしまったら?|ピンチをチャンスにする名刺交換マナー

2020年12月01日 2023年10月27日 ビジネスマナー

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。

仕事で初めてお会いする方と名刺交換をするときに、『名刺を切らしていた』『同じ人に2回名刺を渡してしまった』という経験はありませんか。

私はビジネスマナー研修で名刺交換の仕方をお伝えしていますが、こんなピンチの時の対処法についてご質問いただく事があります。

ピンチのとき「申し訳ございません」と謝れば表面上は済むかもしれません。しかし、相手は不快な思いをしていることがあります。ここでは、ミスをしっかりリカバリーをして、ピンチをチャンスにしていく方法をお伝えします。

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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!

①名刺を切らしてしまった

まずは、『名刺を切らしてしまった』というときの対処法です。

仕事において、名刺を切らすのは致命的です。相手は『軽く見られている』と受け取ります。特に営業先に行って名刺を渡すことができなければ、第一印象が悪く仕事に繋がる確率はかなり下がります。

「名刺切れ」を防止する方法は、日頃から名刺入れをチェックして残数の確認をしておくことです。しかし、時には「名刺入れ」をうっかり忘れてしまったという事もありますよね。そんな時のために、いつも必ず持ち歩くお財布や手帳などに数枚いれておくと安心です。

名刺を切らして渡せない場合は「申し訳ございません。あいにく名刺を切らしております。次回お持ちさせていただきます。」とお伝えします。再訪問したら「先日は名刺をお渡しできずに失礼いたしました。今後とも、よろしくお願いいたします」と一言添えて名刺を渡すようにしましょう。

再度訪問できない場合は「後日お送りさせていただきます」と言って、翌日までには、簡単な手書きのお手紙をつけてお送りしましょう。ミスをしたときは、とにかく早く対応する事が重要です。

ここからは、私の経験談をお話します。

ある会のビジネスシーンで二人の女性に名刺をお渡ししましたが、お二人とも名刺を持っていませんでした。後日、一人の女性は「先日は名刺をお渡しできずに失礼しました」と言って名刺をくださいました。一人の女性は顔を合わせても、何もありませんでした。その後の、二人の女性の印象は全然違うものになったのは、言うまでもありません。

いづれにしても、名刺をいただいたのに、自分の名刺をお渡ししていないのは失礼に当たります。相手は「いいですよ」と言っていても、名刺を渡してくれなかった事は案外覚えているものです。謝罪するだけではなく、後日お渡しすることによりリカバリーしていきましょう。

太田章代
名刺を切らしていた場合は、後日お持ちする又は郵送します。期間を空けずに早急に対応しましょう。

②同じ人に2回名刺を渡してしまった

続いて「同じ人に2回名刺を渡してしまった」際の対処法です。

仕事で沢山の人と名刺交換をしている中で、同じ人に2回名刺を渡してしまい「以前、名刺をいただきましたよ」と指摘された事がある人もいるのではないでしょうか。こんなとき相手は笑顔で言っていても『自分の事を忘れているのか』と不快な思いをしています。

一度お会いしたら、相手の顔を覚える事ができたらいいのですが、それができたらこんなミスしませんよね。私も前職の営業時代に、多くの方とお会いする機会があり、「以前、名刺いただきました」とご指摘をいただいた事があります。

『同じ人に2回名刺を渡してしまった時』に、相手に失礼がないように、どのように対応すれば良いか私なりの考えを挙げていきます。

NGの例

「申し訳ございません。忘れていました」
⇒忘れていたから2回渡してしまったのは紛れもない事実です。しかし、正直にそれを言ってしまうと相手により不快な思いをさせてしまいます。

OKの例

「失礼いたしました。〇〇様。以前名刺交換させていただきましたね」
⇒ご指摘を受けて思い出す事もあります。思い出さなくても、相手が嫌な思いをしないように言葉を選びましょう。

「申し訳ございません」と謝られてしまうと、相手は忘れられたと寂しい思いをしてしまう可能性があります。また「申し訳ございません」はクレームなどのお詫びに使う言葉なので、この場合は重くなり過ぎです。「失礼いたしました」は相手に対して礼儀を欠いた事に対して使用される言葉なので、「以前、名刺をいただきましたよ」の返しには適切です。

「役職が変わったので、再度お渡ししてもよろしいでしょうか」
⇒「役職が変わった」以外にも「名刺のデザインが変わった」「支店が追加された」等、名刺に何か変更があった場合は2回渡しても失礼ではありませんので、結び付けてお渡しします。

太田章代
その場にあった適切な言葉を選び、できる限り相手が不快な思いをしないよう配慮しましょう。

まとめ

マナーは形ではなく、相手を不快にさせないための心配りです。「絶対こうしなければならない」という決まりはありません。ピンチをチャンスに変えるために、相手の立場に立った発言、行動をしていきましょう。

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