
「バイト敬語」とはアルバイトが使用する言葉で、一見正しい敬語を話しているようで、実は正しい敬語ではない言葉遣いのことを言います。間違った言葉遣いは自分では気づきづらく、長年知らずに使っていたという人も少なくありません。
仕事で使うと、社会人として「一般常識のない人だな」と思われてしまう可能性があるため、早く気づいて直したいものです。
ビジネスマナーとして正しい言葉遣いを身につけるためにも、知らず知らずのうちに使っていないかチェックしてみてくださいね。
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言葉は時代とともに変化する
敬語は、人と人との間の関係を表現するものです。敬語を使うことで、相手を敬うべき人として扱っていることを表現できます。相手の敬っていても、敬語で話さなければ相手に伝わりません。
言葉は時代とともに変化します。また、「正しい敬語」は人や環境により、様々意見があることは理解しておく必要があります。ただ、社会人として一般的に正しい言葉を覚えておくことで、相手が違和感を持つことなく会話をすることができます。
社会人には適していない言葉遣い7選
1. よろしかったでしょうか?
相手に確認をするときに使う言葉です。確認したいのは、現在ですので「よろしかった」と過去形にするのは間違っています。
✕「こちらの商品でよろしかったでしょうか」
〇「こちらの商品よろしいでしょうか」
✕「明日伺ってもよろしかったでしょうか」
〇「明日伺ってもよろしいでしょうか」
2.大丈夫です
大丈夫は「間違いがない」「安心である」などの意味があります。「大丈夫です」という表現は敬語ではないため、使用を控えたいところです。
上司から仕事の依頼を受けたとき
「明日の会議資料の準備をお願いできますか」
✕「はい。大丈夫です」
〇「承知いたしました」
会議で決定事項の賛否を聞かれたとき
「〇〇さんの意見で決定したいと思いますが、よろしいですか」
✕「大丈夫です」
〇「問題ございません」
3. ~のほう
「~のほう」と口癖になっている方をお見受けします。正しい使い方は方角を示すときの「西の方にあります」、または取捨選択をするときの「AかBならAの方をおすすめします」のように使います。
✕「伊藤のほうは只今外出しております」
〇「伊藤は只今外出しております」
✕「こちらのほうでお掛けになって、お待ちいただけますか」
〇「こちらにお掛けになって、お待ちいただけますか」
4.どちらにいたしますか
「いたす」は「する」の謙譲語です。相手が主語の場合は、尊敬語の「なさる」が正しい敬語です。
✕「昼食はいかがいたしますか」
〇「昼食はいかがなさいますか」
×「課長、打合せは10時と11時どちらにいたしますか」
〇「課長、打合せは10時と11時どちらになさいますか」
5. ~になります
「~になります」は丁寧な語尾のように感じて、ついつい使ってしまいがちです。動詞「なる」は「雨が降ると中止になります」など、AがBに変化する状態になる時に使います。
×「こちらが企画書になります」
〇「こちらが企画書でございます」
×「1,000円になります」
〇「1,000円でございます」
6. なるほどですね
話しを聞いているときに、自分が納得したことを伝える際に「なるほど」という言葉を使います。「なるほどですね」は「なるほど、そうですね」を短縮した言葉ですが、敬語ではないため仕事では適切ではありません。
仕事のやり方を教えてもらい納得したとき
「Aのやり方よりBのやり方の方が、スムーズに業務が進むよ」
×「なるほどですね」
〇「勉強になります。Bのやり方で行ってみます」
上司から仕事上の指摘をうけたとき
「忘れ物が多いので、必要な物をリストにしてみてはどうですか」
✕「なるほどですね」
〇「アドバイスありがとうございます。リストを作成してみます」
7. わかりました
「わかりました」は丁寧語ですが、「了承する」という意味があるため、目上の人には避けた方が無難な言葉です。
上司から確定事項の報告があったとき
「来週月曜日、15時から会議を行います」
✕「わかりました」
〇「承知いたしました」
お客様から注文を受けたとき
「A商品を10個発注したいのですか」
✕「わかりました」
〇「ありがとうございます。ご注文確かに承りました」
まとめ
丁寧で正しい言葉遣いができる人は好感が持てます。また、周りの人達と人間関係を築く上でも言葉遣いは武器になります。相手に対する心遣いを言葉で表現するためにも、正しい言葉遣いを身につけていきたいですね。