若手育成に悩んでいる人必見!部下の「上手な叱り方」
2025年09月02日 2025年09月02日 新人育成担当者向け、ビジネスコミュニケーション
こんにちは、人材育成トレーナーの太田章代です。
今回は、若手育成に悩んでいる方必見の、部下の上手な叱り方についてお話ししていきます。
あなたは、部下に対して「叱りたいけど叱れない」「モヤモヤする」という経験はありませんか?私はリーダー時代によくありました。
仕事では相手の良いところを見つけて褒めることも大切ですが、叱らないといけない場面では適切に叱って部下の成長につなげたいものです。
そこで今回は3つの項目でお話します。
- 1. 叱れない上司の勘違い
- 2. 叱る前にはこれが必要
- 3. 効果的に叱るスキル
この記事をご覧いただくと、上手に叱って部下を成長させることができます。また、あなたの「叱れない」という悩みも解決できますので、ぜひ最後までご覧ください。
動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!
1. 叱れない上司の勘違い
最近は叱れない上司が増加しています。
その理由として、「部下に嫌われたくない」「パワハラになりそうで怖い」「正しい叱り方がわからない」「部下の成長に関心がない(無関心)」といったものがあります。
叱るということに、ネガティブなイメージを持っていませんか?
「叱る=否定」だと思っている方がいますが、そうではありません。
叱る=成長支援です。
あなたに成長してほしくて伝えることが、叱ることなのです。
私自身、ありがたいことにたくさんの人から叱られてきました。言われた時は「うーん」と思うのですが、後々考えると「あの人がああ言ってくれたから気づけて成長できたな」と思うことばかりです。
成長支援ですので、部下を叱るということは上司の役目なのです。
適切な叱りが部下の成長につながる
ある金融機関で、窓口の女性社員の派手なネイルが気になっていた男性上司が、注意しようかと思いつつ言えずにいたところ、お客様からクレームが入ったことがありました。
結局、それは上司がきちんと叱って修正していれば、クレームはなかったはずです。本人が気づけていないことが、部下にとって一番のマイナスになります。適切な叱りが部下の成長につながるのです。
若手は叱られることを求めている?
ジョブ総研が2023年に行った「上司と部下の意識調査」の結果をご紹介します。
この調査によると、「今まで上司から叱られたことがある」と答えた人は全体の38.6%でした。年代別では20代が最も少なく、24.8%です。
また、「上司から叱られることについてどう思いますか?」という質問に対しては、「叱られたい」「どちらかというと叱られたい」と答えた人が全体の19%でした。5人に1人は叱られたいと言っているのです。
年代別では、実は20代が最も「叱られたい」と思っている人が多く、23.8%でした。
叱られたいと思っている20代の方の具体的なコメントには、「優しすぎませんか?」というものや、「上司が感情で怒ってくるのとは違うので、叱られることによって『しっかり見てくれているな』という愛を感じる」というものもありました。
今まで若手社員は「叱られたくない」と思われてきたかもしれませんが、実は成長意欲のある人ほど、叱りによるフィードバックを求めているのです。
2. 叱る前にはこれが必要
では、叱る前に必要なこととは何だと思いますか?
ヒントは漢字四文字。
答えは「信頼関係」です。
叱るには、上司と部下の信頼関係が必要です。信頼関係が築けていると、上司が叱った言葉を部下が受け入れてくれます。また、上司も部下に対して言いにくいことを言いやすくなります。
先ほどの調査で「叱られたくないと感じる理由」の1位から5位は、すべて信頼関係ができていないことからくるものでした。
「萎縮してしまう」「叱られてもしっくりこない」「反論したくなってしまう」「上司を尊敬していない」「上司のことが苦手だから」といった理由です。
大前提として、「この人は自分のためを思って言ってくれている」と部下に思ってもらえることで、叱る言葉が届きます。
3. 効果的に叱るスキル
まず、心のあり方として「この人に本当に良くなってほしい」という愛がなければ、気持ちは伝わりません。
また、叱ることは勇気が必要です。相手に嫌われたくない、ネガティブな言葉を伝えるのは嫌だな、と思うものです。私もいつもそう思っていました。ですから、愛と勇気、この2つが心のあり方として必要です。
そして、感情的に声を荒げてしまうと、相手は萎縮してしまいます。どんな時でも冷静に、落ち着いた声で伝えるようにしましょう。
客観的に叱る
主観的に「なんか感じ悪いよ」と伝えるのではなく、客観的に伝えます。
例えば、「挨拶が聞こえなかったので、聞こえる声で挨拶すると印象が良くなるよ」と伝えます。まず「挨拶が聞こえなかった」という事実を伝え、それに対して前向きなコメントを出していくのです。
また、人格否定はしないようにします。
部下がミスをした時に「本当に集中力がないね」と言うのではなく、起きた事実に目を向けて解決策を考えます。「ミスした原因を明確にして、解決策を考えていこう」というようにします。
その他にも、何か問題が起きた時にすぐに叱ること、できれば一対一で叱ること、そして部下の性格に合わせて叱ることも大切です。
まとめ
部下の上手な叱り方についてお話をしてきました。
- 1. 叱る=成長支援です。上司は部下の成長を願って、ぜひ叱ってください。
- 2. 部下との信頼関係が前提です。信頼関係なくして叱ってしまうと、部下を萎縮させてしまう可能性があります。
- 3. 叱るトレーニングが必要です。聞いたからといってすぐにできるわけではありません。自分が経験したり、トレーニングをすることによって、適切に叱ることができます。
ぜひ上手に叱って、部下の成長を支援していきましょう。
執筆者プロフィール
新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代- 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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