新人がすぐに辞めてしまう理由TOP5と退職防止対策

2022年09月12日 2024年05月25日 新人育成担当者向け

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。

「最近の新人はちょっと厳しくするとすぐに辞める」という話を耳にすることがあります。採用が難しい時代になっているため、入社した人材がすぐに辞めてしまうと困ると思っている人も多いのではないでしょうか。

せっかく入社したのに1年以内に辞めてしまう理由は何なのでしょうか。これよりは、新人の定着率を上げるために、辞める理由と気をつけたい点をご紹介します。

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新入社員の離職率は3年で3割

新卒社員の離職率は3年で3割と言われています。厚生労働省の調べによると、令和2年度の新規学卒就職者の離職率は、就職後3年以内に高卒就職者36.9%、大卒就職者31.2%でした。3年の中でも退職が多いのは、入社1年目なのです。新入社員は入社後すぐに「辞めたい」と考えている人が多いため、1年目の上司・先輩のフォローは特に力を入れたいですね。

 

退職理由は本音を言っている?

退職理由に「他にやりたい事が見つかった」「家庭の事情で辞めざるを得なくなった」と言う新人がいますが、その理由を鵜呑みにしていませんか。もちろん、本当にそのような理由で辞める新人もいます。しかし、円満退職するための、建前の退職理由の可能性もあります。

本音では「給与が低い」「残業が多い」「上司の〇〇さんが嫌い」など、会社への不満や、人間関係の問題がありながらも、大半は本音を伝えることはありません。 退職理由の本音を知らなければ、今後の対策もできません。

 

「新人の退職理由TOP5」と「退職防止対策」

新卒社員の早期退職を防ぐためには、まず退職する理由を知ることが大切です。厚生労働省が発表した「平成30年度若年者雇用実態調査の概況」の初めて勤務した会社をやめた理由によると、トップ5は以下のようになりました。では5位から発表していきます。

 

5位 ノルマや責任が重すぎた 13.9%

即戦力として早く仕事を任せていきたいところですが、育成過程において責任を持たせることは慎重に考える必要があります。上司は「これくらい問題ない」と思って任せた仕事でも、新入社員は「責任が重い」と感じてしまうこともあります。新入社員の個々の性格も見極めて、相手の状況も観察しながら仕事を任せていく必要があるでしょう。

 

4位 仕事が自分に合わない 20.1%

「仕事が自分に合わない」と感じてしまうのは以下の2つのケースがあります。

1.採用面接の時点でしっかり仕事内容を共有できていないかったというケースです。対策は、採用面接で求職者にしっかり情報を伝えて、ズレをなくすことです。

2.入社前に仕事内容を理解していたが、実際に業務に携わってみたら自分の希望と違ったというケースです。新入社員のうちは、細目に面談をおこない、隠れている問題を浮き上がらせて解決していきます。

 

3位 賃金の条件がよくなかった 23.4%

入社前に賃金条件を提示していると思いますが、この理由が3位です。残業代がプラスされていないなど、労働時間と仕事内容が見合わないと感じているかもしれません。新入社員からしたら、まだ仕事で一人前でもないのに、給与のことは一番言いづらい事です。本音は言わないので、面談で上司から給与に関しての質問をし、不満や疑問を引き出す必要があります。

 

2位 人間関係がよくかなった 26.9%

「人間関係がよくない」も新入社員は言いづらいですね。特に職場で一番近い関係の、直属の上司や育成担当者と人間関係がよくない場合は、面と向かって言えるわけがありません。余談ですが、育成担当者に不満があった新入社員が、辞める時に育成担当者に向けて手紙を書き、今までの不満をぶちまけていたという事もありました。新入社員の育成は育成担当者に任せっきりにせず、職場全員で育てる体制をつくり、周りの人達が人間関係の不良に気づいて対策を取れるといいですね。

 

1位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった 30.3%

トップは「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」でした。こちらも入社前に説明をしていると思いますが、実際働いてみると繁忙期は休日が少なかったり、日頃の残業が多かったりと、条件が違うことがあります。入社前に、基本条件を提示するだけでなく、イレギュラーな場合も伝える等、勤務条件を明確に共有しておきましょう。ただ、入社前に話ても、覚えていない事も多いものです。実際に仕事をはじめてから、イレギュラーな勤務があったときは、随時フォローをする必要があるでしょう。

 

 

まとめ

新卒社員の定着率をあげるには、以下のことに気をつけましょう。

1. 入社前にしっかり情報共有 入社後に「そんな事は聞いていなかった」「話が違う」とならないように、退職理由TOP5は特にしっかりと条件を提示してズレがないようにします。

2. 入社後や細目な面談と周りの社員のフォローで、問題を解決していく 新入社員は社員全員で育てていく意識をつけることが大切です。小さな出来事でも溜まりに溜まって大きな問題に発展し、突然「辞めます」となりかねません。新入社員と毎日コミュニケーションを取り、精神面や仕事のケアをするようにします。

新入社員が育つ風土がある会社は、職場の雰囲気が良いものです。チームみんなで、働きやすい職場をつくっていきましょう。

 


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執筆者プロフィール

新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社
太田 章代
企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細

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