顧客満足度(CS)を上げる方法|効果的な5つ手順を解説

2023年09月13日 2023年10月27日 ビジネスマナー

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

どんな業種では顧客満足度を上げることは重要なことです。しかし、実際に顧客満足度を上げるためには何をしたらいいのか明確になっていますか。

顧客から支持される商品やサービスを提供するためには、顧客満足度を詳しく理解し、組織の体制を整えることが必要です。

そこでここでは、 ・顧客満足(CS/Customer Satisfaction)とは何か ・なぜCSは必要なの? ・顧客は満足を買っている ・事前期待3つのポイント ・事前期待4つの種類 ・顧客満足度(CS)を上げるための手順

の項目を詳しくご説明します。

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顧客満足(CS/Customer Satisfaction)とは何か

顧客満足度とは、企業が提供する商品やサービスに対して、顧客がどの程度満足しているかを数値化したものです。顧客は商品やサービスを購入する前に、期待をしています。その「事前期待」より「利用実感」が上回ったときに顧客満足度は上がり、ファンになるのです。

事前期待>利用実感 → 不満足(顧客離れにつながる) 事前期待=利用実感 → 普通(可もなく不可もない) 事前期待<利用実感 → 満足(ファンになる)

なぜCSは必要なの?

なぜCSは必要なのでしょうか。答えは簡単です。顧客から支持を得たいからです。顧客満足度が上がれば、同業他社との競争にも勝つことができ、リピーターが増え売上を伸ばすことができます。よってどんな業種にも、CSを重要視する必要があるのです。

顧客は満足を買っている

経営学者ピーター・ドラッカーの名言で、「顧客は満足を買っている」という言葉があります。消費者は商品やサービスを買っているのではなく、満足することが目的で買っているという考え方です。顧客満足度を上げるためには、お客様が期待していることを理解することと、お客様がどれだけ満足しているのかを知ることが必要です。

事前期待3つのポイント

CSの向上には、まず顧客の事前期待を知ることが必要不可欠です。自分たちが良いと思う商品ではなく、顧客から求められている商品を提供する必要があるからです。あなたの商品やサービスに顧客が何を期待しているのか、3つのポイントで考えてみましょう。

1.商品やサービスの「内容」

接客態度、アフターフォロー、迅速さ など

2.商品やサービスの「品質」

機能性、耐久性、安全性 など

3.商品やサービスの「価格」

費用対効果があるか、価格に見合った商品か など

例えば、電化製品店でクーラーを買うときに、クーラーの品質や価格は良かったとしても、接客態度が悪いと「不満足」になり、他店に流れてしまうことがあります。また、安くて高品質に越したことはありませんが、利益が出なければ会社は経営できません。顧客に支持を得るためには、利益を考えながらこの3つを改善していくことが欠かせません。

事前期待4つの種類

上記では事前期待を3つのポイントで知ることが大切とお伝えしましたが、事前期待は顧客ごとに様々なので、的確に捉えることは難しいものです。そこで、事前期待を4つの種類にわけて、捉え直してみましょう。

1.「共通的」な事前期待

すべての顧客に共通している事前期待です。例えば、電化製品店であれば「品揃えが良い」「接客の感じが良い」「店内は清潔」というのは、全ての顧客に共通している事前期待といえます。しかし、「共通的」な事前期待に応えても顧客満足度は上がりません。なぜなら「共通的」な事前期待に応えることは、「事前期待=利用実感 → 普通」で顧客にとって当り前だと思っているからです。よって最低限「共通的」な事前期待をクリアした上で、以下の3つの事前期待の対応に力を入れる必要があります。

2.「個別的」な事前期待

顧客ごとに異なる事前期待です。例えば、電化製品店であれば「デザイン性があるクーラーが欲しい」「アフターフォローを重視したい」など、顧客ごとに事前期待は様々あります。共通的な事前期待はマニュアルを作成できます。一方、個別的な事前期待は顧客のデータベースを活用して対応することができます。

3.「状況で変化」する事前期待

同じ顧客でも、状況により事前期待が変わることがあります。例えば、電化製品店であれば「クーラーが壊れたので購入したい」という顧客であれば、早急にクーラーを取り付けて欲しいという期待があります。「クーラーが古くなったので購入したい」という顧客とは期待していることが違うのです。このように顧客の状況により変化する事前期待は、対応する社員が敏感に捉え、即対応することが重要です。

4.「潜在的」な事前期待

顧客が予測していない事前期待です。顧客自身も明確に自覚はないが、潜在的にあるニーズを理解するのは難しいものです。しかし、顧客の潜在的なニーズを掴むことは必要不可欠なのです。

「潜在的」な事前期待を超えて、ヒット商品となったロボット掃除機ルンバの例をあげてみます。

以前、掃除は自分の手でするものと思っていたため「より吸引力が高く」「より軽い」といった機能面の事前期待は顕在化していました。しかし、顧客が潜在的に持っていた真のニーズは「高機能な掃除機」ではなく「常に清潔に部屋を保つこと」でした。この潜在的なニーズを満たしたのが、自動で掃除をしてくれるルンバなのです。

仕事で忙しい人、掃除が面倒だと思っている人でも、常に清潔な部屋を保ってくれるルンバは、まさに画期的な商品でした。こういった顧客の潜在的なニーズは、顧客調査の結果や現場でのお客様からの声などに潜んでいる可能性があるため、組織で蓄積していくことが大切です。

顧客満足度(CS)を上げるための手順

それでは、CS向上のための具体的な手順をみていきましょう。

1.アンケートなどで現状の顧客満足度の把握

CS向上のためには、自社の商品やサービスに顧客がどれだけ満足しているのか、逆にどの点が不満足なのかを調査により知ることが大切です。顧客調査の専門業者もありますが、まずは来店された顧客にアンケートを配付し回収するなど、手間とコストがかからない方法を選ぶことをおすすめします。

2.現状分析

現状の顧客満足度を把握したら、その結果から自社商品やサービスの改善点を明確にします。また、同業他社との比較で自社の強みと弱みを分析して把握しておくことも大切です。

3.施策立案・実行

現状分析により見つかった改善点に対し、施策立案をおこないます。顧客が求めている改善点に優先順位をつけて実行をします。

4.顧客の定期的なヒアリング

顧客満足度は常に変化していきます。半年~1年に一度アンケートを実施し、改善の結果、顧客満足度に変化があったのか、定期的に効果を検証していきます。

5.次の施策の立案

顧客満足度は、すぐに成果が出るとは限りません。顧客満足度調査→現状分析→施行立案→実行を繰り返し、継続的に実施していきます。

まとめ

「顧客満足度を高めよう!」と言われても、実際に何をすればいいのか、ぼんやりしていたことが明確になりましたか?個人的には、お客様に対して感じの良い対応をするなど、できることがはじめてみてください。ただ、顧客満足度は組織全体で高めていくものですので、顧客のニーズを的確に理解して、施策を立てて実行していきましょう。


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