太田章代
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執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

少子高齢化で新入社員の採用が難しい現代において、採用した新入社員を育てることは会社の重要な課題になっています。

将来を期待していた優秀な新入社員が退職をしてしまうと、会社としても損害は大きいものです。

ここでは、優秀な新入社員が辞める理由を理解し、退職を防ぐためのポイントを厚生労働省が発表した「平成30年度若年者雇用実態調査の概況」と現場の生の声をもとに3つご紹介します。

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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!

新入社員の離職率は3年で3割

新卒社員の離職率は3年で約3割です。厚生労働省の調べによると、令和2年度の新規学卒就職者の離職率は、就職後3年以内に高卒就職者36.9%、大卒就職者31.2%でした。その中でも圧倒的に退職が多いのは入社1年目なのです。新入社員は入社後すぐに「辞めたい」と考えている人が多いため、1年目社員に対しての上司・先輩からのフォローには力を入れたいですね。

優秀な新入社員が辞める理由と離職防止ポイント

これより、優秀な新入社員が辞める理由と離職を防ぐ方法を3つ見ていきましょう。

1.給料・労働時間・休暇など待遇に不満がある

働くからには待遇が良い企業で働きたいと思うのは、新入社員も同じです。新入社員に限ったことではありませんが、採用面接のときに給料など待遇について把握して入社しても、仕事をしてみたら「聞いていた事と違う」と感じると、会社に対しての信頼感が薄れてしまいます。入社してからのギャップで不満を持ち、退職に至るケースがあります。新入社員から、こんな不満の声があがっています。

「仕事のわりに給料が安い」

「思っていたより残業が多かった」

「繁忙期は土日休みが取れない」

■離職を防ぐポイント

優秀な新入社員が突然「辞めます」と退職の意向を示し、職場の人達が驚いている場面に遭遇することがあります。離職を減らすためには、退職を決定する前に不満を解決するしかありません。そこで月に1回1on1ミーティングをして、新入社員の話をじっくり聞く機会をつくることをお勧めします。(1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。部下を中心としたミーティングで、上司は話を聞く側になります)

新入社員は日頃、不満や不安な事があっても周りの人に言えません。「何でも話して」と言っても本音は言わないかもしれませんが、ガス抜きにはなります。1on1ミーティングを通して、新入社員との関係性を高めることもできるため、離職防止には最適です。

また、基本的な「賃金について」「労働時間・休憩・休日について」等は、厚生労働省の労働条件・職場環境に関するルールをチェックしておきましょう。

2.上司や先輩を見て幻滅した

新入社員は会社の将来性というより、自分の将来に不安を感じています。その上で、上司・先輩に自分の将来の姿を重ね合わせているため、どんな人の部下・後輩になるかは重要です。上司や先輩を見て「こうはなりたくない」と思われてしまうと、辞める原因になります。新入社員から話を伺っていると、上司・先輩の言動を良く見ています。また上司・先輩の言動に対し、思ったことや感じたことがあっても伝えません。以下は新入社員が上司・先輩に幻滅してしまったときの声です。

「上司の給料を知る機会があり、10年頑張ってもこれだけしか給料が貰えないのかと思った」

「先輩社員が、社員旅行で100円均一の袋に荷物を入れて来ていたのを見て、貧乏くさくてかっこ悪いと思った」

「先輩に同行したときに、会社や社内の人に対しての愚痴を言っていた」

■離職を防ぐポイント

上司・先輩を通して、将来の自分が見えてこないと仕事にやりがいを感じません。尊敬できない上司・先輩のもとでは働きたくないと思うのは自然なことです。とは言え、尊敬されるというとハードルが高いので、まずは新入社員から見られているという意識を持って、考え方や言動がお手本となるよう気をつけましょう。そうすることで、自分自身の成長にも繋がります。

3.成長できる環境がない

優秀な新入社員は、ただ甘いだけの環境を望んでいません。自分が社会で活躍するために、「この会社でどれだけ成長できるか」「自分の市場価値を高めることができるのか」を意識しています。優秀な人ほど、向上心が高く成長できる機会を求めているのです。以下のような職場環境の場合は、優秀な新入社員の離職につながる可能性があるため要注意です。

・上司、先輩が新入社員を褒めてばかりで叱らない

・OJT計画書がなく、行き当たりばったりで新入社員を育成している。またOJT計画書があっても、形骸化していて新入社員が放置されている。(OJT計画書とは、新入社員が一日も早く自立できるように作成された育成計画書のことです)

・同期はいつまで経っても横並びで、頑張っている人を評価しない

■離職を防ぐポイント

新入社員の成長を支援するという組織風土がない会社は、離職率が高くなります。よって職場の育成体制を整えることが重要です。OJT計画書を作成して、計画を確実に実行し新入社員を短期間で戦力化させます。また優秀な新入社員には、期待も込めてやりがいのある仕事を任せたり、活躍の場をつくっていくことも必要です。優秀なので、仕事をどんどん進めていくと思いますが、褒め過ぎは禁物です。褒め過ぎると「この程度でいいのか」と思い成長が遅れてしまうことがあります。もちろん褒めても良いですが、適度に具体的に褒めましょう。

まとめ

優秀な新入社員が辞める理由
1.給料・労働時間・休暇など待遇に不満がある
2.上司や先輩を見て幻滅した
3.成長できる環境がない

の3つをご紹介しました。優秀な新入社員が何を求めているかを理解して、それに対応する姿勢を持つことが大切です。優秀な人材を確実に育成して、会社の未来を創っていきたいですね。


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