「接遇力」で顧客満足度を向上させる【接遇マナー5原則】

2023年07月27日 2024年03月29日 ビジネスマナー

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。 どんな業種においても、顧客満足度を向上させることは必要不可欠です。顧客から支持をされることで、リピーターの獲得や売上にもつながるため重要です。 ここでは、「顧客満足度とは?」「接客と接遇の違い」「接遇マナー5原則」をご紹介します。

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顧客満足度とは?

顧客満足度とはCS(Customer Satisfaction=顧客満足)とも呼ばれ、企業が提供する製品・接客・サービスが、顧客の期待にどの程度応えているのかを数値的指標にしたものです。 顧客は、製品購入やサービスを受ける前に期待を抱いています。その事前期待が、利用実感よりも高ければ「不満足」に感じます。反対に、事前期待よりも利用実感が高ければ「満足」して、リピーターになったり、別の顧客に情報を拡散したりと、企業の売上にもつながる可能性があります。 事前期待>利用実感 →不満足 事前期待=利用実感 →普通 事前期待<利用実感 →満足 例えば、あなたがラーメンを食べに行ったとします。ラーメンの味・接客態度・店内の清潔感・居心地などが事前に期待していたよりも高ければ、「また行きたい」と思いリピーターになります。 ただし、ラーメンの味が美味しくても、接客態度が悪いと利用実感が下がり、リピーターにならない可能性が高くなります。このように顧客満足度は色々な要素が重なって向上していくものです。

「接客」と「接遇」の違い

「接客」はお客様を対応することです。最低限のマナーをもってサービスを提供することが接客です。 一方「接遇」の「遇」という文字には「もてなす」という意味があります。お客様を思いやる気持ちを表現したのが「接遇」です。 例えば、来店されたお客様を席にご案内して、注文を受け、料理を提供することは「接客」です。 「接遇」は「接客」にプラスして、マニュアルにはない「取り皿をお持ちしましょうか」「お茶のおかわりはいかがでしょうか」など、お客様に気遣いをする行為です。

接遇マナー5原則とは

それでは、お客様の期待を超える接遇マナー5つの原則を見ていきましょう。 1.表情 2.挨拶 3.身だしなみ 4.話し方 5.態度 基本的なことばかりですが、意外とできていないこともありますので、詳しく解説いたします。基本的な対応を「いつでも」「どこでも」「誰にでも」できるようにしていきましょう。

 

1.表情

人とコミュニケーションを取るときに最初に目に入るのは「表情」です。笑顔で対応してくれると、「話やすい」「親しみがある」と思われます。反対に、話す前から「怖そう」「近寄りがたい」と思ったことはありませんか。それは、相手が無表情だったり、眉間にシワが寄っていたりするときです。 表情一つでかなり印象が変わります。笑顔で対応することが基本ですが、相手に表情に合わせて変化させることも大切です。笑顔は、どんな笑顔でも印象が良いわけではありません。ニヤニヤ笑っていると「バカにしているのか!」と言われる可能性もあります。 また、笑顔にも種類があります。参考に3つの笑顔の例をあげます。 笑顔のサンプル画像 口角を上げた微笑み 笑顔2分咲き(イラスト左) 優しい笑顔     笑顔5分咲き(イラスト中) とびっきりの笑顔  笑顔8分咲き(イラスト右) 初対面からとびっきりの笑顔だと、相手は温度差を感じてしまうかもしれません。例をあげると、最初は口角を上げた微笑みで挨拶をして、会話をする中で自然に優しい笑顔になり、話が盛り上がったらとびっきりの笑顔になる印象です。TPOに合わせて表情もチェンジするように心がけましょう。

 

2.挨拶

「挨拶」はコミュニケーションの潤滑油となる非常に大切なマナーです。挨拶をしていない人はほぼいません。しかし「気持ちの良い挨拶」ができている人は意外と少ないものです。 では、相手に感じの良い挨拶のポイントを見ていきましょう。 ①自分から先に挨拶 ②相手に聞こえる明るい声で挨拶 ③相手の目を見て挨拶 あなたはこの3つできていますか? 私がある会社に訪問した際、社員の方が10名位いらっしゃいましたが、誰も挨拶をしてくれませんでした。そこで私から「こんにちは」と挨拶をしたら、2・3名の方が「こんにちは」と挨拶をしてくれました。 挨拶はしてくれましたが、私は不満足でした。それは挨拶のタイミングが遅かったからです。 挨拶はすればいいのではなく、タイミングが重要です。相手の姿が見えたら、すぐに挨拶をすることで、相手の存在を認識している合図になります。

3.身だしなみ

「人は見かけによらない」と言われますが、第一印象は「見かけ」で決まります。私が車を買おうと車屋に行ったときの話です。営業の男性が私の対応をしてくれましたが、その方のスーツがヨレヨレしていて、頼りなく見えてしまいました。そうなると、質問の返答などちょっとしたことで、「頼りなさそう」と思いはじめてしまったのです。 反対にスーツにしっかりアイロンがかかっていて、パリッとしている営業の方は「頼りになりそう」と感じます。 服装、髪型、顔・爪、小物(時計・靴など)、匂いが、相手からみて「清潔感」があるかは必須です。身だしなみは、相手へのおもてなしです。社会人のマナーとして身だしなみを整えるようにしましょう。

 

4.話し方

話し方は、相手と意思疎通をするために重要なポイントです。相手を敬い丁寧に対応するためには敬語が基本です。しかし、こんな声を耳にすることがあります。 「敬語は堅苦しくて相手と距離が遠く感じる」 「ラフな話し方の方が相手も楽でいいと思う」 これは自分本位ではないかと思っています。親しくなりたいと思って言葉を崩していますが、相手にとっては「馴れ馴れしい」と思われていることが多々あります。 人は「丁寧に対応して欲しい」と思っています。敬語で話しながら、笑顔や態度などで相手との距離を縮めることもできます。相手との関係性ができていないうちからラフな話し方をすると、相手を不快にさせていることがありますので注意が必要です。 馴れ馴れしい話し方の例 ・「はい、はい」「うん、うん」 ・「なるほど」「確かに」 ・「了解です」「オッケー」 ・「お願いね」「お待ちくださいね」 ・「ありがとうございますぅ~」

 

5.態度

態度には「立ち方」「座り方」「歩き方」「物の受渡し」「話の聞き方」などあります。態度は悪気なく相手を不快にさせ、印象を悪くしていることがあるので注意が必要です。 失礼な態度と思われてしまう例を見ていきましょう。

 

・ながら対応

パソコンを打ちながら挨拶をするなど、〇〇しながらは「面倒くさそう」と思われてしまいます。どんなに仕事が忙しくても、一旦手を止めて相手に正対(体を相手に向ける)して対応するようにしましょう。

・腕組み、足組み

 

癖で腕組み、足組みをしている人をお見受けします。このような態度は「生意気そう」「拒否している」ように見えてしまいます。お客様対応をするときは、背筋をのばして姿勢を良くするように意識をしましょう。

・音が大きい

音は周りに威圧感を与えます。パソコンのキーボードをバチバチ必要以上に大きな音を立てて打ったり、書類をバンと置いたりすると「イライラしている」「忙しそう」と思われてしましますので気をつけましょう。

 

まとめ

顧客満足度を向上させるための、接遇マナー5原則 1.表情 2.挨拶 3.身だしなみ 4.話し方 5.態度 まずは基本マナーを身につけ、そこに心をのせて、相手へのおもてなしの気持ちを表現していきましょう。

 

 


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執筆者プロフィール

新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社
太田 章代
企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細

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