経営理念とは?新社会人向けにわかりやすく解説

2023年06月22日 2023年12月19日 新人育成担当者向け新入社員向け

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

あなたの会社では、「経営理念」が社員の目に触れる場所に掲げてありませんか。掲げてあるのは知っているけれど、興味がないという方も多いのではないでしょうか。以前は私もその中の一人でした。

社会人になったときに、経営理念の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」など、聞きなれない英語に思考が停止した覚えがあります。

しかし今、声を大にして言いたいのは、経営理念は自分の仕事のモチベーションを保つために覚えておいた方がいいという事です。ここでは、経営理念とは何か、経営理念の重要性などをご紹介します。

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経営理念とは

経営理念とは、経営者の想いや価値観を言語化したものです。経営理念は、社員が同じ方向を目指して動けるような軸となるものです。

企業の経営者は「企業の存在価値は何か」「企業の目標は何か」など考えて、経営の道しるべにします。また社員が仕事をする上での行動指針になります。

会社は「経営理念を実現するために存在」し、仕事の全ての目的は「経営理念を実現すること」です。

有名企業の経営理念

Amazon:「地球上で最もお客様を大切にする企業」 セブン・イレブン・ジャパン :「既存中小小売店の近代化と活性化」 株式会社ニトリ:「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」

経営理念の「使命」「将来像」「価値観」

経営理念は主に、使命(ミッション)、将来像(ビジョン)、価値観(バリュー)の3つの要素があります。ミッションという使命をもとに、ビジョンという将来像を描き、そこに向かって行動するための判断基準がバリュー価値です。

使命(ミッション)

使命(ミッション)とは、企業が「果たすべき使命」や「存在意義」のことです。企業の在り方を示したものです。

将来像(ビジョン)

将来像(ビジョン)とは、中長期で企業が目指すべき「将来の理想の姿」のことです。使命を遂行した結果、実現したい将来像を示したものです。

価値観(バリュー)

価値観(バリュー)とは、企業共通の価値基準のことです。社員が仕事を行う際の、行動指針、判断基準を示したものです。

桃太郎の話を3つの要素に置き換えると

ではここで経営理念を「桃太郎」の話に置き換えてみます。桃太郎の話はご存知だと思いますが、村に悪さをする鬼を、犬・猿・キジと共に退治したという話です。桃太郎は「使命」「将来像」「価値観」を持って鬼ヶ島に向かいました。 使命(ミッション):村人の幸せな暮らしの実現

将来像(ビジョン):鬼を退治して村人に笑顔を取り戻す

価値観(バリュー):チームワーク

桃太郎は「村人の幸せな暮らしの実現」をさせるという使命のもと、村人を困らせていた「鬼を退治して村人に笑顔を取り戻す」ために立ちあがりました。鬼退治に行く途中で、犬と猿とキジをお供につれ、自分の使命や将来像を熱く語り共有したことで、みんなの心を一つにしました。そして、「チームワーク」良く鬼を退治することができ、使命である「村人の幸せな暮らしの実現」に向けて進むことができたのです。

「鬼を退治する」というのは、使命である「村人の幸せな暮らしの実現」を叶えるための手段です。使命を理解した方が、一致団結して力を発揮することができます。

経営理念がない企業のデメリット

では経営理念がない企業は、どんなデメリットがあるのかご紹介します。

1.目的地がわからない

経営理念がないと、「何のために仕事をしているのか」「どこに向かっていけばいいのか」わからなくなります。社員の行動にも軸となるものがないため、進む方向がバラバラになり、チームワークが悪くなります。桃太郎の話しで例えると、使命や将来像もなく、ただ鬼退治をしようとしている状態です。 理念がなければ桃太郎、犬、猿、キジのチームワークも発揮できず、鬼退治に失敗していたかもしれませんね。

2.利益に差が出る

経営理念がないと、社員の仕事に対する志もなく、またバラバラな行動をとるため、お客様からの評判も落ちてしまいます。経営理念が「有る企業」と「無い企業」で利益額が約1.7倍という結果が出ており、数字の視点でも経営理念の重要性を示しています。

中小企業11,000社に対して行った調査によると、 ・経営理念がある企業55% 平均経常利益4,900万円 ・経営理念がない企業45% 平均経常利益2,900万円 出所:宮田矢八郎著「理念が独自性を生む」

3.社員のモチベーションの低下

使命感がないと、ただ毎日目の前の業務をこなしているだけになり、モチベーションが上がりません。また、判断基準がハッキリしていないと、社員の不信感が生まれ、仕事へも悪影響を及ぼします。

経営理念を意識して行動しよう

経営理念がない企業の方は、経営者でなければつくれないため、自分で仕事の目的を明確にしていくしかありません。また経営理念があっても知らない人は、一度意識をしてみてください。

社員一人ひとりに経営理念が浸透していれば、社員が同じ方向に向かって仕事をすることができ、チームワークを発揮することができます。

「自分は何のために働いているのか」「会社は何を達成しようとしているのか」などを明確にして、会社の経営理念の実現に向けて自発的に行動していきましょう。


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