心理的安全性の勘違い|ぬるま湯組織になっていませんか?
2025年11月05日 2025年11月06日 ビジネスコミュニケーション
こんにちは、人材育成トレーナーの太田章代です。
職場での上司と部下の関係性が大きく変わる中、「心理的安全性が重要」ということは、多くの企業が認識をされています。
私も重要性を感じているため、コミュニケーション研修やリーダー研修に登壇したときには、必ず心理的安全性の話をしています。
ここでは
・心的安全性とは
・「心理的安全性」と「ぬるま湯組織」の違い
・心理的安全性は人間尊重から生まれる
・心理的安全性を高める3つの方法
・心理的安全性のメリット
についてご紹介します。上司・部下のコミュニケーションが上手くいっていないと感じている方。この機会に、心理的安全性について深く理解して、職場のコミュニケーション改善をしてみませんか。
動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!
心理的安全性とは
心理的安全性とは「組織内で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態」のことです。ハーバード大学のエイミーC・エドモンドソン教授が提唱した心理学の用語で、ビジネスシーンでも注目されています。
職場では、役職者や入社歴が長い人に対して、若手社員が発言をしづらいことがありますよね。そこを、立場関係なく率直に自分の意見を言える環境が、心理的安全性がある職場です。
「心理的安全性」と「ぬるま湯組織」の違い
私が研修に登壇したときに、受講者の方より「心理的安全性がある職場は、甘い環境ではないですか?」と質問を受けたことがあります。
ここでは「心理的安全性のある組織」と、「ぬるま湯組織」の違いをみていきましょう。
心理的安全性のある組織
ミスの報告、誰かの意見に反論するなど、なかなか言い出せないようなことでも、安心して意見を言い合い、互いに成長を促すコミュニケーションを取っている組織
具体例/
・会議で活発な意見交換がおこなわれる
・より良いアイデアや改善策が出やすい
⇒仕事で成果を出すことができる
ぬるま湯組織
誰も意見や指摘をしないので、衝突がなく居心地は良いが、成長や改善が停滞している状態
具体例/
・会議で上司の意見だけに従う
・変化を嫌い現状維持という雰囲気
⇒仕事で成果が出ない
「心理的安全性」は安心して何でもしていい、楽して甘えていいという状態のことではありません。
心理的安全性は人間尊重から生まれる
心理的安全性を高めるための方法をお伝えする前に、本質的なことをお話します。
心理的安全性がある職場をつくるためには、人間関係の土台となる「お互いを尊重する心の在り方」が必要です。立場などは関係なく、普段から相手を価値のある存在として丁寧に接することが、心理的安全性をつくるために一番重要です。
心理的安全性を高める3つの方法
では、具体的にどうすれば心理的安全性を高められるのでしょうか。コミュニケーションですので、これだけやればいいという事ではありませんが、重要なことを3つご紹介します。
例えば上司の立場なら、次の3つを意識してみてください。
1.傾聴する姿勢
部下の意見や考えをまず受け止めるようにします。部下はどのような考えがあるのか、最後まで耳を傾け興味を持って聴くことが大切です。しっかり聴くことで、部下は「自分の話を大切にしてもらえた」という感覚が生まれます。
2.承認の言葉をかける
「対応してくれて、助かったよ」「作成してくれて、ありがとう」などと伝えることで、相手の行動や考えは価値があるということを示すことができます。肯定的な言葉は心理的安全性をつくる基盤になります。
3.役割と責任を明確化させる
部下がミスをしたときや、間違った意見を言ってきたときに、そのまま曖昧にしてしまうと「ぬるま湯組織」ができてしまいます。指導をしたり、責任の範囲を明確にすることで、部下は安心してチャレンジや発言がしやすくなります。
ちょっとしたことですが、コミュニケーションの取り方を変えていくことで変化を生んでいきましょう。
心理的安全性のメリット
では、心理的安全性があると組織にどんなメリットがあるのかみていきましょう。
1.生産性の向上
仕事の相談や、ミスの報告が安心してできるため、仕事がスムーズに進み生産性があがります。
2.離職防止
自分の意見を尊重されることで、従業員のエンゲージメントが向上します。「この職場で働きたい」という気持ちが強まり、離職の防止につながります。
3. 人間関係が良好になる
相手の意見を否定せずに、最後まで聴く姿勢が定着します。意見を言えずにモヤモヤすることが減り、信頼関係が強まります。
まとめ
心理的安全性について詳しくご紹介しました。重要な点を3つにまとめます。
1. 心理的安全性とは組織内で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態
2.心理的安全性の土台は、お互い尊重をすること
3.「傾聴」「承認」「役割と責任の明確化」をして心理的安全性を高める
上司も部下もお互いを尊重し、建設的に意見交換できるようになれば、組織の成果も人の成長も大きく変わっていきます。ぜひ職場で実践してみてください。
執筆者プロフィール
新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代- 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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