やりにくい?「年上部下」と上手く付き合う方法|年上部下があなたの最強の部下になる接し方
2020年06月04日 2024年08月27日 新人育成担当者向け
研修で受講者さんから「年上の部下とどのように接したらいいのでしょうか」とご質問をいただくことがあります。このようなお悩みを抱えている人は、多くなっているように感じます。
これよりは、年上部下と上手く付き合うコミュニケーション術についてご紹介します。
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動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!
年上部下が増えたのはなぜ?
近年は『年上部下』が増えてきています。その理由は2つ考えられます。1つめは、年功序列制度の見直しで成果主義に切り替える会社が増えたこと、2つめは、定年後の再雇用制度の導入で雇用形態に変化があったことです。年功序列で年上の上司が多かった日本において、この状況は受け入れづらく感じている人も多いことでしょう。
なぜ年上部下とは接しづらいの?
企業によっては昨日まで上司だった人が、突然部下になるケースもあります。自分より年上で、しかも知識も経験も豊富な人が部下になるのです。年下上司からすると考えただけでも注意しづらいですよね。年上ですから、部下であろうとも気を遣ってしまうのは当たり前です。しかし、どんな理由があるにしろ、上司になったからには責任を全うすることが大切です。仕事をする上で人間関係を円滑にすることは、生産性を上げることにも大いに関わってくることなので、年上部下とも良好な関係を築いていかなければなりません。
年上部下と上手く付き合う3つのポイント
年下上司は「年上部下とはやりにくい」と思っていますが、実は年上部下も同じことを思っています。そのためお互いに仕事の生産性を上げるためにはコミュニケーションが重要です。年上部下と人間関係を良好にする上手なコミュニケーション術についてご紹介します。
1.尊重の気持ちを敬語で表す
上司、部下関係ないですが、人は誰でも大切にされたいという欲求があります。組織上では部下かもしれませんが、年長者であることを意識して言葉遣いに気をつけましょう。部下であっても敬語を使用するのは基本です。気を遣いすぎてこびへつらう必要はありませんが、最低限のマナーだけは守り接することが大切です。
2.腹を割って相談する
年上部下には、今まで積み重ねてきた経験があり、それゆえに年長者のプライドもあります。何も考えずに年下部下と同じような注意の仕方をしてしまうと「偉そうな年下なんかに従いたくない」「これまでの経験を否定された」と思ってしまう人もいます。かと言って注意しないといけない場面ではしっかり注意すべきです。ただ、注意をするにしても伝え方に気をつけます。例えば、年上部下がみんなと違うやり方で作業をしていて作業効率が落ちていたとします。
×「〇〇さんのやり方だと作業効率が落ちてしまうので、みんなと同じやり方に変えてください」→頭ごなしはNG
〇「○○さん、ご相談ですけどよろしいですか。実は、今部署全体の作業効率が前年より20%落ちています。部長からも咤激励されて改善したいと思っているのですが、どうしたらいいと思いますか?」「私としては作業の仕方を全体で統一して、一度数字を見てみたいと思いますがいかがでしょうか」
など、年上部下に信頼をおきつつ、自分の悩みを腹を割って相談すれば、自分には思いつかなかったアドバイスをくれる事もあるでしょう。
3.適度な距離を保つ
年上部下とコミュニケーションを取るため常に声かけはしますが、経験も実績もある人なら仕事を任せて口出しをしないことも、良好な人間関係を築く上で大切な事です。仕事を任せるという事は信頼の証です。「〇〇さんがいてくれるから安心です」と自分の気持ちを伝え味方になってもらいましょう。また、自分だけでは目が届かない新人の教育なども年長者だからこそ気づいて指導できる部分があることもあります。経験に裏打ちされたスキルを発揮してもらうことで年上部下の存在価値が高まります。遠慮せずに、様々な仕事をお任せしてみましょう。経験豊富な年上部下は、頼られると嬉しいものです。
まとめ
同じ職場やグループで働く限り目標は同じです。年上部下への接し方次第で最強の部下になってくれる可能性があります。あなたが年上部下より、経験や知識がなくても臆することはありません。上司が会社に求められているのは、部下をマネジメントして、職場で成果をあげるということです。年下でも年上でも部下をうまく導きながら、同じチームメンバーとして、「成果を上げるために」何がベストなのかを考えて接していくことが必要です。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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