「了解しました」は上司に失礼。「了解」の意味と上司への適切な言葉遣い【例文あり】
2022年07月18日 2023年10月27日 ビジネスコミュニケーション
研修先の担当者様から、「上司に『了解しました』と返事をする社員がいるので、研修で直して欲しい」と言われたことがあります。目上の人に「了解しました」を使うのは失礼という事を知らずに、悪気なく使っている場合があります。
ビジネスシーンでは、言葉遣いひとつで「非常識な人だな」と思われてしまうこともあるので注意が必要です。
そこで今回は、「了解しました」の意味や使い方、了解しましたに換わる適切な言葉をご紹介します。
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「了解しました」の意味
「了解(りょうかい)しました」は、「わかりました」と伝えたい場合に使います。「内容を理解して、承認する」という意味があり、相手への敬意が含まれていません。「了解」には、理解するだけではなく、認めるというニュアンスもあるため、立場が上の人に使うのは不適切な言葉です。「了解しました」は立場が上の人から下の人に対して使う言葉ですので注意しましょう。同僚など関係性が深く、あまり堅苦しくなくても良い相手に使っても問題ありません。
■上司から部下へ 部下「課長、見積りを作成したので、ご確認いただけますか」 上司「了解しました」
■同僚や関係性の深い人へ 同僚「時間が空いたら、書類の書き方を教えてくれるかな」 同僚「了解です」
「了解しました」の言い換え表現
では仕事で目上の人に「了解しました」「わかりました」と伝えたいときは、何と言えばいいのでしょうか。主に「承知いたしました」「かしこまりました」という言葉を使います。1.承知(しょうち)いたしました
「承知」は相手の要求を聞き入れるという意味があります。「承る」は「受ける」の謙譲語で、「承」の字が含まれた「承知」には、謹んで受けるというへり下ったニュアンスがあります。相手に敬意を表した表現ですので、ビジネスのどのシーンにも使える言葉です。上司「本日は11時に会社を出発するよ」 部下「承知いたしました。11時に出発ですね」
お客様「新商品のパンフレットを郵送してもらえますか」 営業「承知いたしました。本日郵送いたします」
2.かしこまりました
「かしこまりました」は、相手の依頼を謹んで承るという意味があります。柔らかく丁寧な印象を与える謙譲語です。「承知いたしました」より、丁寧な表現ですので、「かしこまりました」もビジネスのどのシーンにも使える言葉です。ホテルやレストラン等の接客業は、「かりこまりました」を使っているケースが多いようです。上司「明日の会議資料の作成をお願いできるかな」 部下「かしこまりました。会議資料を作成いたします」
お客様「次回の合同会議は8月25日(水)15:00から開催します」 営業「かしこまりました。8月25日(水)15:00ですね。参加いたします」
ビジネスメール、チャット、LINEの返信で使う場合
「了解しました」「承知いたしました」「かしこまりました」は、会話だけでなくビジネスメール、チャット、LINEでの返信にも使います。チャットやLINEはすぐにメッセージの確認・返信ができるツールのため、ビジネスメールより文章が簡素化されています。とはいえ、ビジネスマナーは必要です。プライベートの延長で、目上の人に「了解です」と送ってしまうと注意を受ける場合があるため、「承知いたしました」「かしこまりました」を使うようにしましょう。
ただし、立場の下の人や親しい先輩や同僚などに「承知いたしました」「かりこまりました」を使うと事務的な印象になることもあるため、あえて「了解しました」と使うこともあります。相手との関係性を考慮して言葉を選びましょう。
まとめ
いかがでしたか。場面により使い分けることで、相手に失礼のないコミュニケーションを取ることができますね。まとめると以下のようになります。・立場が上の人から下の人へ使う言葉 「了解しました」 ・立場が下の人から上の人へ使う言葉 「承知いたしました」「かしこまりました」 ・親しい関係の人には、立場が上の人でも「了解しました」と使うことがある
使い分けが難しく感じるときは、「承知いたしました」「かしこまりました」を使えば失礼はありません。仕事では適切な言葉を使い、相手との信頼関係を築いていきましょう。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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