クレーム電話対応!お客様の怒りを鎮める方法とは
2022年10月07日 2024年03月29日 ビジネスマナー
電話に出た途端、受話器の向こうから怒鳴り声が聞こえてきて、恐怖でオドオドしてしまった経験はありませんか。私が損害保険会社の事務員時代は、損害サービス課に毎日のようにお怒りの電話がかかってきていました。
このような電話に出てしまったときに、どう対応すれば良いのでしょうか。これよりは、クレームで怒鳴っている人にしてはいけない「NGな対応」や、「基本の対応法」をご紹介します。
YouTube版も公開しています動画でも学べます。聞き流すだけでも理解できますよ!
お詫びの気持ちを持つことが解決への近道
電話は相手の表情は見えませんが、声のトーンや話し方から、どれだけお怒りなのかが伝わってきます。反対に、こちらの気持ちも電話応対の仕方で伝わっているのです。
比較的ベテランにクレーム対応が上手な方が多いのは、相手の気持ちに寄り添い、心からお詫びをする気持ちを持つことができるからです。ただ「怒りを収めよう」とするだけの小手先の謝罪では、相手に見透かされてしまいます。
本当に申し訳ないという感情があれば、目の前に相手がいなくても、自然と頭を下げてしまうものです。スキルよりも、まずはお詫びの気持ちを持つことが大切です。
クレーム電話対応4つの基本ステップ
まずは、クレーム対応の基本4ステップをみていきましょう。
1.『謝罪・傾聴』 :お詫びをして、相手の心情を理解する 2.『事実確認』:問題は何か事実確認をする 3.『要求確認・提案』:相手の要求を確認して、解決策を提案 4.『終話』:再度お詫びをして、感謝を述べる
お客様がはじめからお怒りの場合は、上記の1.『謝罪・傾聴』の対応力が求められます。まずは不快感を与えてしまったことに対して「お詫び」をします。そしてお客様の立場に立って、心情を理解することが重要です。
怒っている人に絶対してはいけない事
最初はサービスや商品に対して怒っていた人も、対応が悪かった場合、人に対しての怒りにすり替わってしまうこともあります。上記ステップ1の対応で失敗してしまうケースをみていきましょう。
1.感情的になる
相手が大声でまくしたててきても、落ち着いて冷静に対応することが大切です。冷静に対応しますが、他人事のような冷たい落ち着きがあると、相手を見下げているように感じます。あくまでも、冷静に心を込めて対応しましょう。
2.声が小さくなる
恐怖から委縮して声が小さくなると、「気が弱そう」と思われてしまい、相手が余計に攻撃的になることもあります。声は相手にはっきり聞こえるように意識しましょう。
3.言い訳をする
「人手不足で対応できず、申し訳ございません」など、謝っているようで言い訳を言ってしまっています。言い訳をすると、更に怒りを買うことになりますので、言い訳はしてはいけません。
4.相手の言っていることを否定する
「お客様、それは誤解です」など、怒っているときに相手を否定することはやめましょう。本当に相手が誤解している場合は、怒りが静まってからタイミングを見て伝えるようにしましょう。
5.電話を替わろうとする
自分では対応できないクレームだったとしても、怒っているときに「担当者に代わります」と言って電話を替わろうとすると反感を買います。
まずはお詫びを伝える
謝ってしまうと、こちらが非を認めたことになるので事実を確認するまでは謝ってはいけないと考えている人もいます。ただ、電話に出てすぐに怒鳴られた場合、事実確認をするのに時間がかかる場合があります。事実確認ができるまで1度も謝らないと、「謝罪もないのか!」と怒りが増してしまいます。
最初に伝えるお詫びは、「不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」と、お客様の気持ちに寄り添ったお詫びをするようにしましょう。
また「申し訳ございません」を連発すると、『謝れば許してもらえる』と思われかねません。「ご不便をお掛けして、申し訳ございません」「説明不足で、申し訳ございません」「こちらの配慮不足で、申し訳ございません」など、何に対して謝っているのかを伝えることにより、相手は自分の気持ちを理解してくれていると感じ、クールダウンにつながります。
「落ちつかせる」のではなく「落ちつくのを待つ」
お客様の怒りを鎮めようと、途中で口を挟んで説得しようとすると、怒りが静まるどころかますます怒らせてしまいます。クレーム対応研修での定番ですが、「はじめはお客様の話をしっかり聴く」ようにします。
感情的になっているお客様には、「不満をすべて吐き出したい」という欲求があります。お怒りのお客様を落ちつかせようとするのではなく、すべて話し終えるまで聞き役に徹し、落ちつくまで待つようにしましょう。
30分過ぎても怒りが続くとき
人の怒りが続くのは5分とも10分とも言われています。しかし、適切な対応をしたにも関わらず、理不尽に30分以上怒り続けるようなら、相手はただ文句を言いたい「モンスタークレーマー」だと割り切ることも大切です。
クレーム対応は真摯に対応して「信頼回復」を目指していますが、悪意のクレームには「危険回避」をすることに方向転換せざるを得ないこともあります。できないことは、きっぱりと断ったり、「私には判断しかねます」と一旦電話を切る勇気が必要です。お客様に誠意を尽くした上で、妥協せずに対応するようにしましょう。
まとめ
クレーム電話は、いつ誰が取るかわかりません。電話を取る方なら誰でも対応する可能性があるのです。電話に出た途端に怒鳴られたら、必要以上におびえたり委縮せずに『お詫び⇒話を聴く』をしっかりおこない、お客様がクールダウンするまで待つようにします。要望確認や解決策の提示は、お客様が落ちついてからするようにしましょう。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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