先延ばし思考を直す方法｜双曲割引とは

2024年03月01日 2024年03月08日新入社員向け、ビジネスコミュニケーション

新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

突然ですが、こんな経験はありませんか。

「今やるべき仕事があるが、今やらなくてもいい仕事から手をつけてしまう」
「集中して仕事をしたいのに、つい気になるネット記事を読んでしまう」

このように、今やらないといけない仕事を先延ばししてしまうのは、人間の持っている本能なのです。

目先の誘惑に負けて行動すると、仕事の効率が悪くなり残業をすることになったり、期限ギリギリの提出になり大変な思いをすることになります。

ここでは、仕事を先延ばしをしてしまう原因と、先延ばし思考を直す方法をご紹介します。

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先延ばしにしてしまうのは「双曲割引」が原因

人はみんな「目の前の利益を優先して、未来の利益を後回しにする」という本能があります。それを行動経済学の言葉で「双曲割引」といいます。

わかりやすい例として、ダイエットをあげてみます。痩せたいと思ってダイエットをはじめても、目の前に美味しそうなケーキがあるとつい食べてしまいます。我慢すれば痩せるとわかっていても、目の前の欲望に流されて「明日からダイエットをはじめよう」と先延ばししてしまうのです。

しないといけない事を先延ばししてしまうと「私は意志が弱い人間だ」「どうして欲望に勝てないんだ」とネガティブに考えがちです。しかし、みんな同じ思考を持っていますので、悩むことはありません。

不合理な選択をするのは「感情」に原因がある

痩せたければ我慢すればいいのに、ついつい食べてしまうという不合理な選択をするには理由は、行動を司っている感情に原因があります。ダイエットには「もっと食べたい」というストレスがかかります。そのストレスが溜まって、心身の健康を崩してしまっては意味がありません。

そこで、感情をポジティブにするために食べてしまうと非合理とわかっていても食べて、心身のバランスを取ろうとするのです。目の前の欲望に負けてダイエットを先延ばしにしてしまうのは、心身を整えようとする感情の存在が作用しているのです。

先延ばし思考を直す方法3選

ダイエットなら先延ばしにしても誰にも迷惑はかかりません。しかし仕事を先延ばしすると、誰かに迷惑がかかってしまったり、期限に間に合わないなどの問題が起きます。そこで、先延ばし思考を克服する方法をご紹介します。

例「今日締め切りの仕事があるけれど、気になるネット記事を読んでしまう」

このような先延ばし思考が起きたときに当てはめてみます。

1. 目標を明確にして貼り出す

ダイエットは長期的な目標になりますが、仕事の場合は短期的な目標になることが多いものです。その仕事に合わせて「〇時までに△△完了して、定時に帰る」など、書いて見えるところに貼っておきます。目の前の誘惑に打ち勝つために、目標設定は有効です。

２.自分の状況を俯瞰して捉える

仕事のちょっと息抜きにとネットサーフィンを始めるとやめられなくなって、かなり時間が経っていたという経験はありませんか。仕事に関係ないことをしたくなったときは、「今、自分にネットサーフィンの時間は必要なのか」と、自分が今どんな状況なのか俯瞰して捉える癖をつけるようにします。目の前の誘惑に負けて行動に移す前に、冷静に考えてみます。

3.集中できる環境をつくる

誘惑に負けないようにするためには、誘惑されそうなものを取り除き、仕事に集中できる環境を整えることが有効です。例えば、すぐに携帯電話が気になるようなら遠くに置いておく、パソコンのメールが気になるようならパソコンの電源を切っておくなどです。できる限り、目の前の誘惑を排除しておくようにします。

まとめ

先延ばし思考を阻止する方法
1.目標を明確にして貼り出す
2.自分の状況を俯瞰して捉える
3.集中できる環境をつくる

先延ばし思考は誰でも持っている思考ですが、仕事ができる人、成功している人は目の前の誘惑を我慢できて、仕事に集中できる人です。メジャーリーガーの大谷翔平選手は、今練習に集中することにより、今後自分にどのような価値や利益があるのか理解しているため、目の前の誘惑にも負けず、野球のことに一点集中しているのでしょう。人には双曲割引という本能があることを理解して対策を活用し、仕事で成果が出る行動を選択していきましょう。