「人件費」は給与の1.5倍!必要とされる人財になるために
時間価値を意識する【新入社員必見】

2023年12月19日 2024年02月20日 新入社員向け

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

社会人になったときに、会社から給与の内訳など説明はありましたか。簡単には説明があったとは思いますが、詳しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。私も社会人になりたての頃は、給与の額面金額にしか興味がなく自分のお金のことなのに深く理解できていませんでした。
 
これから長い社会人生活を送る上で、受け取っている給与のことや、給与に値する働きをする意識を持つことは重要です。ここでは、社会人として覚えておきたい給与のことや、人件費から自分の価値を知り意識することの大切さについてご説明します。

 

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「給与」と「給料」の違い


「給与」と「給料」は同じだと思っている新入社員は少なくありません。社会人になったら、自分の「給与」「給料」はいくらなのか、正しく把握しておきたいものです。そのためには、「給与」と「給料」の違いを覚えておきましょう。
 
「給与」は会社から支払われる全てのもののことです。それに対して「給料」は、会社から支払われる給与のうち、各種手当、賞与、現物支給を引いたもので、言い換えると「給料」は「基本給」のことです。よって、毎月受け取る報酬は「給与」と言います。

 

給料+各種手当+賞与+現物支給 = 給与(額面)
 
※現物支給とは、金銭以外の形で支給される自社商品や通勤定期などのこと
※所得税法28条「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう」

 

実際に受け取れる金額は?


入社前に給与の話を聞いていたのに貰ってみたら「思ったより給与が低かった」と思いませんでしたか。社員として働いている人は、給与をそのまま額面通りに受け取ることはできません。給与の額面から保険料や税金を控除した金額が手取りとして、自分が実際に受け取れる給与です。
 
給与(額面)-(健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税)=手取り
 
※「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」は会社と従業員で半分ずつ負担することが法律で決まっています。
 
手取りは給与(額面)の70~80%程度になります。将来マイホームを建てたいなど考えている方は、手取り金額から貯金の計画を立てるようにしましょう。

 

会社は給与の1.5倍「人件費」を支払っている


あなたは会社に採用され、毎月給与が発生していますね。例えば賞与を含めた年収が300万円の場合、人件費は300万円ではありません。実は、「人件費」は給与の1.52倍程度と言われています。年収300万円の場合、会社は従業員を1人雇うのに年間450万円程度のコストがかかっています。よって年収300万円の人が年間で300万円に値する仕事をしていては、会社は赤字になってしまうのです。

 

「人件費」に含まれるもの


では会社が支払う「人件費」は、なぜ給与の1.5~2倍になるのでしょうか。それは、従業員に支払われる給与だけでなく、「人の労働」に関わる費用全般が人件費になるからです。それでは、人件費の詳細をみていきましょう。
 
給与手当(残業代、通勤交通費、住宅手当、資格手当などの諸手当を含む) ・賞与(ボーナス、一時金など)
法定福利費(健康保険料、社会保険料、労働保険料のうち会社負担分)
福利厚生費(社員旅行費、健康診断費、冠婚葬祭費 等)
退職金(退職金支給に備えた積立金)
その他(人材採用費用、教育研修費 等)
 
会社は給与以外に、様々な費用を負担していることがわかります。会社にとって人件費は将来への投資という意味合いもあります。新入社員が戦力になるには相当の時間が必要です。その間の人件費は会社にとって先行投資をしている状態ですので、1日も早く自立して自分の人件費くらいは稼 げるようになりたいですね。

 

自分の時間価値を知る


ここまで、従業員を1人雇うのに会社はどれくらいのコストがかかっているのかご説明してきました。人件費は会社にとって大きなコストになっています。ですから、ただ会社にいれば給与が貰えるという感覚の社員が多いと、会社の存続が危ぶまれます。
 
社会人は、自分が会社から支給されている人件費に見合う仕事をしているか常に確認をしていく必要があります。自分の時間価値を意識して仕事をしていきましょう。
 
例/1日8時間、月20日勤務、人件費 月30万円の場合
30万円÷160時間=時給1,875円
 
正社員は時給で給与を支払われるわけではありませんが、上記の例でいうならば時給1,875円以上の仕事ができているか常に意識を持つようにしましょう。あなたが、給与を支払う立場でしたら、従業員にどのように働いて欲しいですか。ダラダラ仕事をするのではなく、「効率よく」「質の良い仕事」をして欲しいですよね。時間はコストですので、時間を気にしながら質の高い仕事をするようにします。給与に見合う価値を創造する社員になることで、会社から求められる人財になれます。

 

まとめ


新入社員が、業務知識をつける前に覚えておきたい重要なお話をしました。時間とコストを考えながら仕事をすることは、社会人としての土台となります。自分の時間価値を知り、それに見合う仕事をする。ゆくゆくは給与以上の仕事ができるようにスキルアップしていきましょう。




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