新入社員が「辞めたい」と言ってきたときの対応法【新人育成担当者様向け】

2022年12月09日 2024年03月29日 新人育成担当者向け

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
日本一気さくで身近な研修講師を目指している、太田章代です。 入社して間もない新入社員が突然「辞めたい」と言ってきたら、「入社したばかりなのに退職?」「何が原因?」と戸惑ってしまうでしょう。まだ自立していない新入社員でも、辞めてしまう事になれば、また人員補充をして一から仕事を教えることを考えると、退職することは会社にとって大きな痛手です。 そこでここでは、新入社員から「辞めたい」と言われてときの対応法を詳しくご紹介します。

 

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退職を相談されたら二者択一

新入社員から退職の申し出があったら、『引き止める』または『退職を承諾する』の二者択一です。会社は必要な人材しか採用しません。よって、もう少し頑張ってほしいと引き止めることが多いでしょう。しかし、退職理由や入社してからの仕事の状況によっては退職を承諾するケースも出てきます。いずれにせよ重要事項ですので、一人で考えずに周りの人と相談して決定するようにしましょう。

 

1対1で話しを聞く場を設ける

仕事が忙しい中、新入社員の教育をしてきた指導者にとっては、新入社員から「辞めたい」と伝えられたらいい気はしないはずです。しかし、そこは感情的にならずに改めて面談の機会を設け、冷静に対応するようにします。面談では、話やすい雰囲気をつくり以下のことに気をつけましょう。

 

1.個別に話しができる場所でしっかりと話を聞く

新入社員にとっては、退職を申し出たことを他の人に聞かれたくないものです。そこで話し合いは会議室など、安心して話せる場所でするように配慮します。第一段階として、まずは自分の言いたいことや訊きたいことを押さえ、新入社員の話を最後までしっかり聞いて受け入れるようにしましょう。

 

2.本音の退職理由を質問で引き出す

「他にやりたい事が見つかった」「スキルアップをしたい」などポジティブな退職理由は、本音ではないかもしれません。なぜなら「上司が苦手」「給料が安い」などネガティブな理由は言いづらいものです。退職理由の本音を知ることで、引き止めるための改善策も出せますし、残念ながら退職することになったとしても今後の参考になります。本音を聞き出すときには「参考までに教えてほしいのですが」と前置きをして、「周りの人と上手くコミュニケーションが取れていた?」「待遇面で不満はなかったですか?」などと質問をして反応を見てみます。言葉では「問題なかったです」と言っていても、目や声のトーンなど非言語の部分で本音の反応が出る場合がありますので、注目してみてください。

 

3.退職希望なことは、他言しないようにする

退職はデリケートな問題です。本人の了承もなしに関係者以外の人に他言すると、新入社員が職場に居づらくなる場合があります。退職が決定しても、いつ職場のメンバーに伝えるかなど配慮する必要があります。

 

退職の決断は本人のためになるのか

新入社員はまだ社会経験が浅いため、自分では「退職した方が良い」と思っていても、他者から見ればそう思えないケースがあります。例えば『上司に叱られるのが嫌』『人間関係が上手くいかない』『残業をしたくない』等、どこの会社でも起きていることが原因で辞めるようであれば、嫌なことから逃げているだけかもしれません。入社してから短期間で逃げていては、逃げグセがついてしまい、今後転職を繰り返してしまう可能性もあるのです。隣の芝生は青く見えがちで、休日に学生時代の友人と会社の情報交換をしたら、友人の会社の環境が良く見えてしまい辞めようとすることもあります。心から新入社員のためにならないと思ったら、社会人の先輩として「今の〇〇さんの考えでは、どこの会社に行っても活躍できない」とはっきり伝えてあげることも優しさです。

 

心を動かす引き止めトーク

新入社員は「退職します」と言ってくる前にかなり悩んだ上で、覚悟と勇気を持って伝えてきています。ですから意志が固い場合は引き止めても難しい場合があります。しかし、本当にその人に会社で引き続き頑張って欲しいと思うなら、情熱も持って引き止めてください。 新入社員と面談をして退職を引き止めるときに、「もう一度考え直してみないか」はオーソドックスな言葉ですが、これでは心は動きません。退職理由を考慮した、新入社員の心を動かす引き止めトークをみていきましょう。

 

「問題を改善して、無理なく働けるように一緒に考えよう」

「残業量が多い」「休日が少ない」「仕事が自分に合わない」などの退職理由がある場合、それを解消することで退職を引き止めることができる可能性があります。 ただ、チームで仕事をする限り新入社員だけ優遇してしまうと、周りのメンバーから不満が出てしまいます。新入社員の抱えている問題を解決するまでには時間がかかるかもしれませんが、少しずつ改善することは可能です。例えば残業量が多いなら、チームメンバー全員で効率的に仕事をするための方策を考えるなど、改善に努めていきましょう。改善していく過程では、新入社員と綿密にコミュニケーションを取り、約束したことを有言実行していきます。

 

「環境を変えて、もう一度頑張ってみないか」

退職理由が人間関係の場合は配置転換してみたり、仕事が合わないという理由なら業務の変更を提案してみます。ある会社で「上司と人間関係が悪いので辞めたい」と言った新入社員の配置転換をしたところ、次の上司の元では仕事の成果を上げることができるようになったというケースもあります。人間ですから相性の良い悪いはあるものです。新入社員に配置転換の提案を了承してもらった上で、上層部に相談しましょう。

 

「〇〇さんは、会社にとって必要な人なんだ」

特に退職理由がポジティブな理由の場合は、「〇〇さんが辞めるのは大きな痛手だ」「あなたが必要だ」ということをストレートに伝えて、存在価値を認めるようにします。もしかしたら新入社員は日頃聞きなれない褒め言葉に『引き止めたいために言っているのでは?』とひねくれて捉えてしまうかもしれません。ただ新入社員は本当に会社の将来に必要な人材なのです。それを心から思っていれば声の抑揚や表情から本気度が伝わることでしょう。 新入社員はまだ一人で仕事ができない中、『自分は会社にとって必要な存在なのだろうか』と疑問を感じてしまうものです。日頃の業務の中では、なかなか言えない言葉ですが、人は認めてもらえると嬉しいものです。

 

引き止めても退職が決まった場合

 

円満退職にした方が良い理由

人が辞めるということは職場にとってマイナスなことです。そこに揉めて辞めるようなことになれば、職場の雰囲気が悪くなること必至です。 また、現代では会社の評判サイトで、HPでは分からない内情を見ることができます。こじれた辞め方をした場合、会社の悪評を口コミする可能性もあります。現代では就職する際に、志望企業の実情を知るため評判サイトにアクセスする人が多いものです。売り手市場が続き採用が難しい状況の中、口コミが悪い企業は更に採用が厳しくなることが予測できます。 ただ悪評を書かれたくないからということではなく、新入社員が新しく進む道も応援してあげられるような組織体質であって欲しいと願っているのです。お互いのために、できる限り円満退社できるように進めていきましょう。

 

退職の時期はなるべく早く

退職をする人が組織の中枢を担っていたり、プレイヤーとして活躍している人の場合は、「引き継ぎ期間が終わるまで」と退職時期を伸ばしてもらうこともあるでしょう。しかし、まだ教えてもらいながら仕事をしている新入社員の場合は、引き継ぎもほとんど無い状態です。退職が決まったことで指導者は「辞めるのに仕事を教えないといけないのか」と時間の無駄を感じてしまいます。また新入社員も仕事へのモチベーションが低下するため、なるべく早く辞めて新しい人生を歩んだ方が得策といえるでしょう。周りへの影響が極力少なくなるように、会社の規定に沿ってなるべく早く退職をしてもらうように退社日を話し合いましょう。

 

まとめ

新入社員が入社して、職場も戦力が増えると思っていたのに辞めるとなると、社員も精神的負担があります。突然「辞めたい」と言われないように、日頃からコミュニケーションを密に取り、小さな問題を少しずつ解決していきたいですね。

 

 


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