手土産は出すの?出さないの?迷ってしまう家での手土産マナー
2022年08月01日 2024年05月25日 ビジネスマナー
自宅で手土産のお菓子をいただいたら、「その場で出した方がいいの?」「出さない方がいいの?」など、迷ったことはありませんか。自宅にお客様を招くときや、相手の自宅に招かれたときは、手土産のマナーを心得ておきたいものです。
迷いがちな「手土産」について週刊女性様に取材をしていただき、2022年6月21日号に掲載されました。
そこで今回は、家での手土産について「受け取る側」「渡す側」のマナーご紹介します。
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手土産を「受け取る側」のマナー
手土産を受け取ったら敬意を表す
受け取った手土産をそのまま横に置きっぱなしにすると、ぞんざいな印象を与えてしまいます。いただいた手土産は丁寧に扱うようにします。相手に喜んで欲しくて手土産を選んでくれているので、いただいたら手早く開けて中身を確認してお礼を伝えましょう。また、常温保存か冷蔵保存か確認して、美味しくいただけるように保管しておきます。
いただいた手土産はお出しするの?
おもてなしの仕方はそれぞれ違うので、これが正解というものは無いものです。ですから一般的なお話をします。
昔から、お客様からいただいた手土産を出すのは失礼にあたるというマナーがあります。しかし、友人など親しい間柄の人にはマナーにこだわり過ぎなくても良いのでしょう。
お中元やお歳暮など熨斗がついている手土産以外は、お出しした方が無難です。お出ししないと「せっかく持って行ったのに、出してくれなかった」と思う人もいます。ケーキやシュークリームなどの生菓子で、家族・来客分の個数があれば、一緒に食べようと思って持ってきた場合が多いので、お出ししましょう。
お出しする際には「おもたせで失礼ですが、とても美味しそうなので一緒にいただきますね」と一言添えると気遣いを感じます。(「おもたせ」とは、手土産を受け取った側が、その手土産を丁寧に表現した言葉)
自分が用意した物とどちらを出すの?
お客様からいただいた手土産と、自分が用意した物、どちらをお出しするのかも決められたことはありません。被っていなければ、どちらもお出しすればいいでしょう。
ただ、手土産と自分が用意した物が被っていた場合はどうしたらいいのでしょうか。例えば手土産にケーキを持って行ったとします。出されたケーキが、自分が持って行ったケーキと違う物だったらどう思いますか。「被ってしまって、申し訳ないな」と感じるはずです。
相手をそんな気持ちにさせないために、被ってしまったことは言わずに、受け取った手土産を美味しくいただいた方が相手は嬉しいでしょう。
手土産を「渡す側」のマナー
センスを感じる手土産の選び方
手土産は相手が喜んでくれる物を選ぶようにします。その上で気をつけたいポイントをみていきましょう。
・家族構成や好き嫌い 甘い物が苦手や、お菓子よりフルーツなど、何げなくリサーチができるといいですね。家族にお子様やその他の人がいる場合は、周りの人の分も考慮して個数を選びます。またおじい様、おばあ様がいる場合は、硬い物は控えるなどの配慮が必要です。
・時期や限定品 季節の物や、限定品など、今しか手に入らないものは喜ばれます。夏はチョコレートなど溶けそうなものは注意が必要です。
・購入する場所 相手の自宅の近所で買うと「適当に用意したもの」という印象になってしまいます。相手の事を考えて選んだ物をお持ちしましょう。
手土産を「渡すタイミング」と「渡し方」
訪問して部屋に通されて、挨拶を済ませた後、椅子に座る前に渡します。ただし、アイスクリームなど冷蔵が必要な物は、玄関先でお渡しすることもあります。
お渡しする際には、紙袋から出して両手で包みの正面を相手に向けてお渡しし、紙袋は持ち帰るようにしましょう。
渡すときは昔から定番の「つまらないものですが」という言葉があります。これは本来「立派なあなたを前にすると贈り物がつまらないものに見えますが」という意味です。しかしネガティブな印象を持つ人もいるため、現在は使わないことが多いものです。かわりに「お口に合うと嬉しいのですが」「心ばかりのものですが」という言葉や、相手が好きな物を購入する場合は「チョコレートがお好きと伺ったので」とさりげなく一言添えると好印象です。
「手土産を出してくれない」とモヤモヤしないために
「一緒に食べようと思って持って行ったのに、出してくれなかった」と残念に思っている人がいます。そうならないために、渡すときに「美味しいケーキだから、みんなで食べようと思って」と一言添えましょう。
また事前に「お茶菓子に○○を持って行きますね」と伝えておくと、受け取る側と被ることがないですし、一緒にいただきたい事も伝わります。
まとめ
手土産ひとつで、喜んでもらえることもあれば、嫌な思いをさせてしまうこともあります。
マナーとは、相手への思いやりの気持ちですので、臨機応変に考えて対応したいものです。相手との関係が深ければ、そこまで気にする必要はありませんが、関係が浅い人には失礼にならないように、マナーを知って気遣いをしていきましょう。
執筆者プロフィール
- 新人育成トレーナー
アイキャリア株式会社太田 章代 - 企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、2,000回以上(2023年現在)登壇。 プロフィール詳細
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