好印象な会話術「後よし言葉」をマスターしよう【具体例あり】

太田章代
執筆者:新人育成トレーナー 太田章代
新入社員育成専門の研修トレーナー太田章代です。

私が研修に登壇したときに、受講者の皆様の会話を聞いていると、言っていることは間違いではありませんが、「相手が不快になっていないかな」と気になる話し方をする方がいらっしゃいます。 仕事を円滑に進めていくためには、人間関係を良好に保つことは必須です。

そのためには「言葉選び」が重要です。好印象な人は、普段から相手が受け取りやすい言葉を使うように意識をしています。 ここでは、話の順番を替えるだけで印象がガラリと変わる「あとよし言葉」についてご説明します。

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コミュニケーションの種類

話の内容に入る前に、コミュニケーションの基本についてお話します。コミュニケーションは2種類あります。1つめは、言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)と、2つめは言語以外の非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)です。それぞれの内容と、良好な人間関係を築くために意識することをみていきましょう。

言語コミュニケーション

・敬語で話す
・簡潔でわかりやすく話す
・相手が受け取りやすい表現で伝える


非言語コミュニケーション

・状況に合った表情、態度、姿勢、アイコンタクト
・状況に合った声の大きさ、スピード、トーン
・清潔感ある服装、髪型、爪、靴、持ち物

「言語」よりも「非言語」の方が影響力大

会話をするときには、言葉だけでコミュニケーションを取るのではなく、非言語の表情や態度、声のトーンなどが大きく影響をしています。例えば、お客様に「本日はありがとうございました」とお礼を伝える場面で考えてみます。

言語  →「本日はありがとうございました」
非言語 → 無表情、目を合わせない、声が暗い

このようにお礼を伝えたら、お客様に感謝の気持ちは伝わりません。理由は、言葉と表情や態度が一致していないからです。人は話の内容よりも、目から入る情報や耳から聞く情報を重視する傾向にあります。

言語  →「本日はありがとうございました」
非言語 → 笑顔、目を見る、声は明るく

このように、言葉と表情や態度を一致させることで、自分の気持ちを正しく表現することができます。

「後よし言葉」とは

「後よし言葉」とは、悪いことを先に、良いことを後で話す会話術です。後にプラスのことを話すことで良い印象が残り、相手に受け取りやすい表現になります。

「後よし言葉」の具体例

それでは、「後よし言葉」の具体例をみていきましょう。

■商品説明のとき

「こちらの商品は、高性能で長持ちしますが、価格は高くなっております」
→ 「こちらの商品は、価格は高いですが、高性能で長持ちします」

「後よし言葉」の方が、相手に購買意欲を湧かせることができます。

■指摘するとき

「この提案書、全体的な構成は良かったけれど、わかりづらい部分があったね」
→ 「この提案書、わかりづらい部分があったけれど、全体的な構成は良かったよ」

「後よし言葉」の方が、相手の評価が高い印象になります。

■励ますとき

「この業務を習得したら仕事の効率が上がりますが、覚えるのに時間がかかるので頑張ろう」
→ 「この業務を覚えるには時間がかかりますが、習得したら仕事の効率が上がるので頑張ろう」

「後よし言葉」の方が、相手のやる気を促進することができます。

■仕事を頼むとき

「次回の会議資料の準備は、時間はあるので支障はないと思いますが、部数が多くて大変な作業です」
→ 「次回の会議資料の準備は、部数が多くて大変な作業ですが、時間はあるので支障はないと思います」

「後よし言葉」の方が、相手の負担が軽く感じられ仕事を受けやすくなります。

■人柄を伝えるとき

「〇〇さんは面白いところはありますが、優柔不断な人です」
→ 「〇〇さんは優柔不断なところはありますが、面白い人です」

「後よし言葉」の方が、相手を褒めている印象になります。

まとめ

先に悪いこと、後に良いことを言った方が、相手に印象が良いですね。話の順番が入れ替わるだけで、相手に気遣いのある伝え方をすることができます。また、言葉だけを意識するのではなく、言葉と表情や態度を一致させることは重要です。簡単ですので、コミュニケーションテクニックとして実践してみてくださいね。





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