AKIYO先生
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執筆者:ビジネスコミュニケーション専門家 太田章代

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上司に相談した秘密が筒抜けになっていた経験ありませんか?

社会人経験が豊富な方なら職場で「誰にも言わないで」の言葉はまったく通用しないと知っている人は多いのではないでしょうか。私も話したことが職場全部に筒抜け状態だったことをリアルに経験したひとりです。そもそも部下にとって「秘密」の事でも、口が軽い上司にとっては「他人の秘密など、たいした秘密ではない」のです。口の軽い上司は秘密の話は単なる話のネタだと無意識に認識しています。総じて口が軽い人は情報通で職場のゴシップネタが大好物です。

ここまで聞いて、「自分は口が堅いから大丈夫」と思っていませんか。実は口が軽い上司は、自分が口が軽いことに気づいていないケースも意外に多いのです。信用される上司になるために、自分に心当たりがないか参考にしていただけたらと思います。

上司の口が軽いのは自慢話と同じ

部下から真剣な相談をされたら、自分に心を開いて信頼してくれているのだと嬉しく思いますよね。まともな上司であれば、その信頼に応えられるように「秘密にしておいて」と言われなくても、誰にも言わずに部下をサポートする側にまわるものです。しかし、口の軽い上司は信頼されたことを自慢したくて仕方ありません。「私は相談される上司」「私はこんな事まで知っているんだぞ」と人に思って欲しいのです。(でも自分は自慢話だと思っていません)ついポロリと部下の秘密をバラした相手が、聴き上手だったりすると、話を盛り気味にして盛り上げようとします。部下の秘密事項は話を盛り上げるネタだと思っています。

でも口が軽い人の話を聞いている相手は、頷きながらどう思っているか知っていますか?「〇〇さんの大事な事をペラペラ話してこの人は信用できない」「この上司に相談するとペラペラ話されてしまうから相談しないでおこう」と自分に置きかえて敬遠してしまいます。

「秘密なんだけど」と言ってくるベラベラ話す上司

「秘密なんだけど」「ここだけの話だよ」と言って部下の秘密を話す上司は、部下のことを大切にしていません。部下の気持ちより、自分が話したい事を優先しているのです。「〇〇さん多額の借金があるから大変だと言っていたよ。何か助けられるといいね」と〇〇さんの事を想って言っているようで、本当は秘密をバラしたいだけです。口が軽い上司は、部下がどんな気持ちになるかを考える事もなく、自己中心な人が多いのです。

上司の口の軽さは命取りになる

口が軽い上司は、とにかく信頼されません。部下は裏切られたという気持ちになり、もう二度と悩み事を相談してこなくなります。仕事ですから、表面上は上手く付き合うかもしれませんが、心の中では信頼が崩れたまま元に戻ることはありません。部下からしたら、上司に「あれは言って欲しくありませんでした」と強く言えないことがほとんどだと心得てください。

また、口が軽い上司は言っていい事と言ってはいけない事の区別がついていません。部下が自分に悩みを打ち明けた時点で、自分に話したのだから他人にも同じように話しても大した問題ではないと考えます。悪気もないし、罪悪感もありません。それに人の問題や悩みは格好のネタと言えます。部下は真剣に悩んでいても、上司にとっては大した事ないと感じて他人に軽い気持ちで言ってしまうのです。

実際聞いた口の軽い上司の話

従業員数30名の会社の男性部長が、部下である男性主任から相談を受けた話です。

部下「とても言いにくいことなのですが、実は借金があり返済が大変なので残業を多くさせてもらえませんか?」
上司「そうか。それは大変だな。それで何で借金したんだ?」
部下「ギャンブルにハマってしまいまして」
上司「奥さんは知っているのか?」
部下「それが内緒なんです。バレないうちに借金を返済したいと思っています」
上司「そうか、ではなるべく残業で稼げるように仕事を回すよ」
部下「ありがとうございます。よろしくお願いします」

と言った翌日『ギャンブルにハマり借金ができ、奥さんにはバレていないので、残業を多くして早く返済したい』事が部署全体に筒抜けになっていました。
口の軽い部長からしたら、格好のネタが舞い込んできたのです。すかさず、「何で借金したんだ?」「奥さんは?」と突っ込んだ質問をして、情報を聞き出し、話しのネタを増やします。

部下は「部長に相談した自分がバカでした。でも仕事に関わってくる事なので、相談せざるを得ませんでした。でも今後、秘密にして欲しいことは部長には絶対に言いません。」と会社にいづらくなった事を嘆いていらっしゃいました。
その話を聞いた女性事務員は「うちの部長、プライバシーに関わることを平気でみんなの前で話してしまうのです。日頃からデリカシーがなく、言っていい事と悪い事の区別がついていないんですよ。だから部下がついてこないんです。」とおっしゃっていました。

部長は今だに悪い事をしたと気づいていません。役職が上に上がれば上がるほど、自分のことを注意してくれる人が少なくなります。社長・専務など上層部の人ほど、自分で自分の口が軽くないかをセルフチェックする必要があります。

部下が何を求めているか考える

例えばパワハラの相談に乗ったとします。パワハラ被害を受けた人は何を求めて相談していますか?もしかしたら、”パワハラを解決”したいわけではなく、ただ話を聞いてもらってスッキリしたい可能性も十分あり得ます。それを自分の勝手な判断で仲裁に入って事を大きくした場合は、相談をした人が「勝手にそんな事して欲しくなかった」と相談した事を後悔するケースがあります。
当然ですが部下が相談をしてくることは、基本的に口外してはいけません。特に部下にとってマイナスになること、プライバシーに関わる事は絶対に言ってはいけません。部下から信頼をなくし、部下のモチベーションを大きく下げる事にもなります。相手の相談に真摯に対応して、何を求めているか考えてみましょう。相談した内容を上司に解決して欲しいと求めてきているのでしょうか?ただなんとなく話してしまっただけでしょうか?それとも意見を求めているのでしょうか?そもそも同僚などに伝わっても良い情報でしょうか?自分だったらどういう気持ちで上司に相談するだろうか、と考えてから口にすれば、”あの人に相談してはいけない”と裏でレッテルを貼られなくて済みます。

まとめ

職場の人間関係において「口が堅い人」は、絶大な信頼を得ることができます。
人から信頼される人ほど『何を言わないか』を理解しています。言っていい事と、言ってはいけない事があります。話のネタとして軽く言うことは、秘密をバラされた部下、また話を聞いた部下からも信頼をなくします。基本、部下から相談された事、プライバシーに関わることは口外しないようにしましょう。

人材育成研修のアイキャリア株式会社 代表 太田章代太田章代プロフィール