愛知県西三河にある製造業の管理職28名様にコミュニケーション研修をさせていただきました。受講者は全員男性。社長と顧問の方がお二人オブザーバーで参加されており、研修に力を入れているのが伝わってきました。女性も社会進出していますが、管理職の女性はまだ少ないのが現状です。

管理職に必須なコミュニケーション能力

管理職の役割として「部下をまとめる」「部下に伝える」「部下の話しを聴く」「叱る」「ほめる」などがありますが、これはすべて部下とのコミュニケーションが関わってきます。管理職というと、漢字の通り『部下を管理する人』というというイメージがあると思いますが、このイメージは古いと思っています。まず、マイクロマネジメント(上司が部下を過干渉する)をすると部下の自主性がなくなるなど部下の成長に支障をきたします。令和時代の管理職は『多様な個性を組織の中で活かす人』ではないでしょうか。

叱れない上司が増えている

このコミュニケーション研修のご依頼をいただいた時にお伺いしたのが、「上司が部下を叱れない」「叱らない上司が良い人になり、叱る上司が悪い人になっている」という内容でした。実は同じ話しを他の会社でも度々お聞きします。「パワハラと言われるのが怖くて叱れない」「叱ると部下との関係が悪くなるから叱れない」など理由は様々あります。これは私の考えですが、部下に興味がない人も叱れないと思っています。親が子どもを叱るときは、子どもの成長を願って真剣に叱ると思います。しかし子どもがどうなってもいい、別に私には関係ないと思っていたら何も言わない方が楽です。部下のことを真剣に考えていたら、改善した方がいいことがあれば、自然と叱れるのではないでしょうか。

人生で一度も叱られたことがない学生

面接で「今まで叱られたことはありますか?」と質問するそうです。なぜなら、叱られたことがない人は入社しても長続きしないという判断をくだしているからだそうです。実際に「僕は今まで親、学校の先生、部活の先生、友人、誰からも叱られたことがないことが自慢です」と答えた学生もいるのです。叱られたことがない人が社会に出ていきなり上司に叱られると、一気にモチベーションが下がります。叱られる免疫が0なので仕方がないことです。社会に出るまでに、いいことばかりではなく、失敗や挫折を経験することも大切だと感じます。

叱る上司が悪い人になっている原因は『叱り方』

叱ると嫌われる。そんなときは、部下がミスをしたら感情的になって怒鳴る、なぜ?どうして?と責めるなど、相手の話しを聞かずに威圧を与えているだけになっているケースが多いのです。叱る目的は『部下の成長』です。なぜ?どうして?と責めても、部下は成長しません。「今後ミスをしないためにはどうしたらいい?」と冷静に部下の成長を促せば嫌われることはないでしょう。私も部下だった頃、上司が自分の腹が立つから言っているのか、私のために言ってくれているのかは自然と感じていました。また注意してくれたお陰で恥をかかずに済んだり、自分の成長を実感できたりして、言ってくれたことに感謝しています。叱ることは「部下が自分で反省する力を引き出す」ことです。

責め心のない厳しさ 馴れ合いではない優しさ

この言葉が好きで、管理職研修の時はホワイトボードに大きく書いておきます。相手を責めるような厳しさは威圧を与えるだけです。また職場が学校のような雰囲気で馴れ合っていて、誰も注意する人がいないのは本当の優しさでしょうか。では自分が広告代理店の部長だった頃はどうだったのか。責め心アリアリ。数字だけ追いかけていた鬼部長でした。自分が失敗しているからこそ『しくじり先生 私みたいになるな』のTV番組のように自戒の念も込めてお伝えしています。上司も部下を選べませんが、部下も上司を選べません。あなたの部下になった方が楽しく社会生活が送れるように、どうぞ責め心のない厳しさと、馴れ合いではない優しさで育ててあげてください。


女性活躍推進研修と人材育成研修の
アイキャリア株式会社 代表 太田章代太田章代プロフィール