「報告・連絡・相談は必ずしてください」と上司が部下に注意をします。報連相に関する問題は組織の中でよく耳にします。「課長、明日の資料を作っておきました」と部下が積極的に仕事をしても「え!その資料はもうとっくに作ってあるよ」とコミュニケーション不足のため無駄な作業をしているケースがあります。情報共有ができていないと仕事が円滑に進みません。働き方改革が叫ばれている今、効率の良い仕事をするためにも「報連相」を今一度見直してみませんか。

コミュニケーションが円滑なら「報連相」という言葉はいらない

報連相とは「報告」「連絡」「相談」をまとめた造語です。報連相の始まりは、1982年、山種証券の山崎富治社長が社内のキャンペーンとして提唱しました。報連相は、「報告・連絡・相談ができる、風通しの良い職場環境を作ろう」というのが目的で作られた言葉です。報連相を部下の管理のために使うと、窮屈に感じてしまいます。そもそも人間関係が円滑で、常にコミュニケーションが取れている職場では報連相という言葉は必要ないのです。

若年層は「報連相」が苦手?

「今の若年層はコミュニケーション能力が低下している」と、40代、50代の管理職から聞きます。そのためか、報連相も上司が聞かないとしてこないそうです。全ての人ではありませんが、コミュニケーション能力が低下していたとしても、社会人として「報連相」は必須能力です。社員同士が情報共有をしておくことで、意思決定が迅速に進められ、不測の事態にも素早く対応することができます。報連相は職場だけでなく、お客様にも大切です。報連相がしっかりできる=信頼を得ると言ってもよいでしょう。

上司は報連相を『待つ』のも人材育成

上記では管理職から聞いた話を書きましたので、今度は若手から聞いた話を書きます。「私の上司はあれどうなってる?これどうなってる?といちいち細かいんです」と聞きました。上司により、何も言わない人と細かい人といて、細かい上司に当たった人は心の中で「面倒くさい」「もっと信頼して欲しい」「仕事を任せて欲しい」と思っているようです。何でもそうですが、やりすぎは良くなくバランスが大事です。部下のことを心配な気持ちはわかりますが、部下の完了報告があるまで『待つ』のも人材育成です。いつも上司から質問していたら、自主的に報連相をしない部下をつくってしまいますのでご注意ください。

上司が忙しいオーラ満開だと報連相できない

部下からの報連相が少ないとお悩みの上司の方。ご自身にこんな覚えはありませんか?

□いつも忙しそうにしている
□仕事している時に眉間にシワがよっている
□部下に声をかけられても「今忙しいから後で」と言ったっきりフォローしていない

もしかしたら、部下は報連相したくてもタイミングが掴めずに困っているかもしれません。『いつ報告しよう』とタイミングをうかがっているうちに、先に上司から「何で報告しないんだ」と叱られ、何も言えずに黙っているケースがあります。部下から密に報連相をして欲しければ、常に話しかけやすい雰囲気づくりが必要です。

「報告」の部下指導のポイント

ビジネスマナーカード(報告)
『報告』は仕事の完了報告や中間報告など、仕事を指示した人におこないます。クレームなどの緊急な用件でない限り、相手の手が空いているタイミングで短く分かりやすく結論から報告しましょう。

1.上司から「あれどうなっている?」と聞かれる前に報告をする
2.報告内容を簡潔にまとめ、結論から先に伝える
3.ミスやクレームなど緊急の場合は、すぐに上司に報告をする

「連絡」の部下指導のポイント

ビジネスマナーカード(連絡)
『連絡』は自分が今どこで何をしているのかのスケジュール等、業務上共有すべき情報を、職場の関係者に伝えます。「15時に帰社予定」と伝えていたのに、
17時に変更になる時など、新しい情報や、情報の変更があった場合はその都度早めに連絡をしましょう。

1.その日の予定や今後のスケジュールなど、確実に関係者に伝える
2.業務が円滑に進むように、業務上共有すべき情報等をタイミングよく伝える
3.込み入った内容や日程などの連絡は、口頭で伝えた後で書面にして伝える

「相談」の部下指導のポイント

ビジネスマナーカード(相談)
『相談』は相手に「どうしたらいいですか?」と丸投げ禁止です。自分で考えて意見を持ってアドバイスをもらうようにしましょう。また相談した内容が解決したら、その結果についても相談した相手に報告をするのが礼儀です。

1.自分なりの意見を用意した上で、上司のアドバイスをもらうようにする
2.相談する相手が時間的、精神的に余裕がある時に相談する
3.相談内容を簡潔にわかりやすく説明する

報連相ができる仕組みづくり

ここまで、報連相についてお話をしました。報連相はコミュニケーションの一つですので、部下から上司だけではなく、上司から部下への報連相も必要です。
また報連相を円滑に進めるための組織での仕組み作りが重要です。報連相を理解できても個人任せにせにすると、報連相を忘れてしまう社員が出てきます。情報共有をして円滑に業務が進むように仕組みづくりをしてください。

例/
・朝礼や終礼で情報共有会
・メールはCcで上司にも送る
・日報に欲しい情報の記入欄をつくる

まとめ

報連相と言っても奥が深いですね。報連相ができている組織はミスも少なく、仕事も効率的に回っています。報連相は人間で言うと血液のようなものです。血液が止まると、体調不良になり病気になります。組織も血液の循環をよくして健康な環境を整えていきましょう。

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アイキャリア太田章代アイキャリア株式会社 代表取締役 太田章代
ビジネスコミュニケーション専門家、講演家

企業・団体でのコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修など、1,600回以上登壇。個人の自立を目的として『コミュラボ』を立ち上げビジネスコミュニケーションを研究。コミュニケーション能力が最速で身につくように開発されたオリジナルメソッドで、職場の人間関係を改善するなど、好評を得ている。