部下への上司の言葉は影響力が大きい

ピグマリオン効果とは、他人から期待されることによって作業などの成果が上がる現象のことです。教育心理学における心理的行動の1つで、1964年に米国の心理学者ローゼンタールが発見したものです。

以前研修に行った会社での出来事です。研修の前に担当の課長から受講者の若手社員へお話がありました。「あなたたちは仕事に慣れてきたかもしれませんが、まだまだダメだ!だから研修を受けてしっかり勉強しなさい!」と𠮟咤激励。いや𠮟咤激励は励まし元気づけることなので、𠮟咤激励のつもりの相手のやる気を無くす言葉でした。

若手社員の表情はどんより暗くなり、会場の空気が悪くなっているのを感じました。厳しく言っても、本音を言ってもいいと思います。でも、相手のモチベーションを下げないように伝えて欲しいのです。「あなたたちは仕事に慣れてきて信頼される存在になってきました。でも皆さんにはもっと能力があるはずだ。研修を受けて更に成長して欲しい」と肯定的にお伝えしたら研修も前向きに受講してくれます。

上司の大切な仕事の1つに【部下のモチベーション管理】があります。上司の言葉の影響力は、思っているよりも大きいと心得てください。多様な人材がいる現場では、心理学がすべての人に当てはまるわけではありません。「期待しているよ」と言ったら、それが重荷になって成果が出せない人もいます。あくまで上司・指導者の心構えとして、【上司から期待される部下は成果が上がる可能性が高い】と捉えておきたいものです。

期待言葉の活用方法

(1)ほめ言葉+期待言葉
認めてもらい期待され、更にモチベーションを上げることができる 例/「構成が分かりやすいね。次も期待しているよ。」

(2)質問+期待言葉
期待の言葉が強調される 例/「何かの構成を参考にしたの?(いいえ…)これは仕上がりが楽しみだなあ。」

(3)叱り言葉+期待言葉
期待言葉のお陰で、叱り言葉が素直に受け入れられる 例/「構成はまだ改善が必要だね。君ならもっと分かりやすい構成ができるはずだよ。」


女性活躍推進研修と人材育成研修の
アイキャリア株式会社 代表 太田章代