また行きたくなるお店をつくる『接遇研修』で人材育成

2019年10月02日 2023年10月27日 ビジネスマナー

ヘアサロンや、エステサロン、飲食店に『接遇研修』にお伺いすることがあります。オーナーさんは、お客様にとって心地の良いお店をつくるために、「ソフト面」であるおもてなしや、立ち振る舞いといったコミュニケーションに関する無形の要素を意識して向上させたいのです。「ハード面」である施設や設備、道具といった形あるものを万全に備えているにも関わらず、業績が振るわないのであれば、スタッフの教育や業務のマニュアル化など、ソフト面を見直してみるといいかもしれません。

お客様の立場でヘアサロンの接客について思うこと

私は今まで、ヘアサロンを何度か変えています。理由は色々ありますが、一番多いのは接客に思うところがあったからです。例えば、忙しくて髪を切りに行く時間がなかったとき、半年ぶりに行ったら「ちょっとスパンが長いので、早く来ないとダメですよ」と真剣にダメ出しをされたり、カラーをしている時に「若い頃はどんな髪色だったんですか?」と「若い頃は」と連発されたり。そりゃ若い美容師さんからしたらおばさんだと分かっていますが、「20代の頃は」とか言い方があるでしょう!と苦笑い。美容師さんは技術の勉強はもちろん必要ですが、コミュニケーションの勉強もして欲しいと思うのです。

ヘアサロンで前に置かれる雑誌にもコミュニケーションが入っている

美容院雑誌を読む女性 ヘアサロンに行って、目の前に週刊誌ばかり置かれたらどう思いますか?気にならない人もいると思いますが、私だったら「そんなゴシップネタが好きそうな人に見えたのかな」と思います。以前、40代の私に、30代向けのファッション誌「CLASSY」「Oggi」が置かれたときは「そんなに若く見えたかしら 笑」と、少し嬉しかったものです。単純ですね。もしかしたら気を遣っていただいたのかもしれません。無言ですが、置く雑誌にもコミュニケーションが入っていると感じます。上手な人は、色々な雑誌をまぜて置いてきますね。

『接遇』を心がけるとお客様の承認欲求が満たされる

『接遇』という言葉は一般的にあまり使わないかもしれません。接客は「お客様に必要なサービスを提供すること」ですが、接遇は、その必要なサービスにプラスして「最上級のおもてなし」を態度で表すことです。人は誰しも大切に扱われたいという承認欲求があります。接遇とは、お客様にファンになっていただくために、ただ接客をするだけでなく、相手に思いやりを持って大切に接することです。へアサロンでいうと、施術の腕や使用するシャンプーや薬剤だけに意識を向けるのではなく、言葉遣いや立ち振る舞いなどで信頼感を与え、心地よい時間にすることで、お客様がファンになりリピーターになるのです。

人材育成『接遇研修』でお伝えしていること

接遇とは型にはまらない「お一人おひとりに合わせた応対ができること」とお伝えしています。例えば、GW明けにヘアサロンに行くと「GWはどこかに遊びに行きましたか?」と聞かれます。聞くのはいいのですが『話したい派』『話したくない派』にわかれますので、反応を見て臨機応変に対応することです。ヘアサロンでもトップの売上を上げる美容師さんは、技術力+コミュニケーション能力がある人です。これは、どんな職種にも当てはまります。冒頭でヘアサロンを何度か変えていると申し上げましたが、長く同じサロンに通っていたこともありました。それは担当の美容師さんのコミュニケーション能力が高く、技術力よりも「この美容師さん、話したくない派の私のことを理解してくれている。楽だな」と感じ、心地が良かったからです。

『接遇』は相手の考えを理解して受け入れること

人はそれぞれ考え方が違います。プロとしての仕事をする時に必要なのが、この人それぞれの考えを理解して受け入れることです。つまり、自分の考えを押しつけないことが大切なのです。プロなので、専門知識があり何が良くて、何が良くないのかはお客様より知っています。しかし相手がそれを望んでいない限り、知識を押しつけると相手が嫌な気持ちになります。例えば、美容師さん側は、お客様に髪の毛を艶やかにキレイに保って欲しいという想いがあるとします。「お客様、このシャンプーは汚れだけ落とし、大切な成分は残す○○成分が配合しておりまして・・・」と話しはじめますが、お客様側がそこに全く興味がない人だと「へー」なんて聞いていても、心の中では『その情報いらない』と思っています。自分の言いたいことを伝えるのではなく、少し質問してお客様に興味がありそうなら詳しく説明するのがベストです。

AI(人工知能)にはできない接遇

AIやロボットが身近な存在になる中、私たち人間しかできないことがより重要視されるようになってきました。「お一人おひとりに合わせた応対ができること」はAIにはできない部分です。会話の中でお客様の心に触れて、反応を見ながら心遣いをすること。お客様の悩みやご要望は何なのかを理解すること。いきなり自分の言いたいことを伝えるのではなく、お客様の心を読んだ行動ができるのが人間です。相手の心を読むのは難しいですが、意識をして仕事をすればもっとお客様満足度が向上します。明るく挨拶をする、笑顔でお見送りをするなども大切ですが、ワンランク上の真の接遇ができるお店は他店と差別化でき、今後生き残っていくのではないでしょうか。

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